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CD Review

CD Review
今までに買ったCDを紹介します。基本的にハズレなものはないのですが、特に良かった演奏を中心に紹介していきます。
1998年7月〜1999年7月までに購入したものです。それ以降については後日公開します
■プーランク/「仮面舞踏会」の終曲によるカプリッチョ、2台のピアノのためのソナタ、2台のピアノのためのエレジー、4手のためのピアノ・ソナタ、シテール島への船出、ヴァイオリン・ソナタ、ホルンとピアノのためのエレジー
ヴァイオリン:シャンタル・ジュイエ、ホルン:アンドレ・カザレ、ピアノ:ジャン=フィリップ・コラール、ピアノ:パスカル・ロジェ (1995録音)
着々とプーランク全集に近づきつつある。プーランクのピアノ曲はこれで全部かな?ここでもロジェのピアノは冴えに冴えまくっている。さらに、今回はJ.P.コラールとの共演とあって、現在望みうる最高のプーランク演奏となっている。2人が溶け合っているため4手を気に止めることがないのが見事。ヴァイオリン・ソナタも秀演で、プーランクの音楽をうまく表現していないとされるこの曲を実に流麗に演奏しているのが良かった。今秋はロジェが京都にやってくるのでぜひそのテクニックを見に行こうとたくらんでいる・・・ (輸入盤L 443 968-2)
 
■D.エリントン デューク・エリントンへの憧憬
Jubilee stomp、In a sentimental mood、I got it bad and that ain't good、Prelude to a kiss、Sophisticated lady、The clothed woman、Day dream、Tonk、Beggar's Holiday suite、Lush life、Fantasy on Caravan、Come Sunday、A Single petal of rose、Solitude
ピアノ:ジャン・イヴ・ティボーデ(1998年録音)
久々にジャズを買った気がする。先日(1999年5月22日)のフランス国立リヨンo.でピアニストとして同行していたが、そのときにアンコールで演奏してくれた「Prelude to a kiss」が非常に印象に残ったために買ってしまった。クラシックピアノ界の大物がジャズを弾くだけでも話題になるが、内容を聴いてその素晴らしさに改めて評価が高くなった。ノリのいい曲以外はジャズだと思わせないところがいい。ジャズが好きでティボーデが気になるなら今が買い! (国内盤L POCL-1879)
 
■バルトーク/ピアノ協奏曲第1番、ピアノ協奏曲第2番
ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ、シカゴ交響楽団 (指揮)クラウディオ・アバド (1979・83録音)
だいぶ昔に図書館で聴いたときは「よくわからん曲」というイメージだったが、今ではバルトークが好きなのでいずれ買おうと思っていた。とりあえず衝動買いというヤツだな・・・ 演奏はビッグネーム同志が火花を散らしまくったすごい演奏。オケがシカゴなので音は好きではないが、歯切れの良さはピカ一。やはり聴きものは第1番。ポリーニは現代曲を多く取り上げていたが、最近はまた聴かれなくなった気がするが気のせいだろうか。こういう曲をぜひ生で聴いてみたいものである。 (輸入盤G 457 909-2)
 
■ショスタコーヴィチ 交響曲第10番、交響曲第13番「バビ・ヤール」
ロンドン交響楽団 (指揮)アンドレ・プレヴィン (1982・79録音)
プレヴィンのショスタコーヴィチという掘り出し物が復刻した。この第10番は発売直後に廃盤となっていたもので、第13番も初CD化という珍しいものづくしである。プレヴィンらしい丁寧な音楽作りで、時折みせる激しいダイナミズムの中にも常に音楽性を見失ってはいない。そのためか、いささかクールでショスタコーヴィチの内面 が見えてこない。絶対音楽としては上出来なのだが。ロンドン響も明るい音色でその「絶対音楽」性を色濃くしているのも確か。「バビ・ヤール」はそのきめ細やかさが効を奏してか、素晴らしい出来映えになっていると思う。 (輸入盤EMI 7243 5 73368 2 6)
 
■ワイル 交響曲第2番、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲、「マハゴニー市の興亡」〜オペラからの組曲
ヴァイオリン:フランク・ペーター・ツィンマーマン
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮)マリス・ヤンソンス (1997録音)
いつものことだが、このCDもようやく買った。クルト・ワイルは最近とみに人気が出てきているのでぜひ聴いてみたかったのだ。以前、交響曲第2番を聴いたとき、その曲の奥深さに引き込まれた覚えがある。 ここで演奏するのは私の大好きなヤンソンス。その推進力はいつも見事。それもBPOとあってその出来はハナマル。BPOの低弦・ティンパニのパワーが全てを物語っている。 意外に気に入ったのは「マハゴニー市の興亡」。実に軽快な表情も見せ、ワイルの世界がこれほど広いものだとは思ってもいなかった。それだけにこれからいろいろ聴いていく楽しみができた。 (国内盤 EMI TOCE-9791)
 
■プーランク ピアノ作品集 第3集
メランコリー/3つのパストラール/バッハの名による即興的ワルツ/5つの即興曲/バディナージュ/ナポリ/プロムナード/アルベール・ルーセルの名による小品/ブーレー、オーヴェルニュのパヴィリオンにて/アルバムの頁/クロード・ジェルヴェーズによるフランセーズ/クロード・ジェルヴェーズによるフランス組曲
ピアノ:パスカル・ロジェ(1998年録音)
ついに完結!待ち続けていたピアノ独奏曲全集が完結した。1999年はプーランク生誕100年記念ということで、CDも多く出されている。私が聴き始めた頃はCDもほとんど出ていなくて、プーランクという名を知る人も少なかった。今や怒涛のリリース。演奏会でも取り上げることが急に増した。嬉しい限りだ。 ところで今回のピアノ曲集は、前作よりも深みがぐっと増した演奏になっている。全編に渡ってプーランク独特の柔らかで優しい響きが部屋中を包み込む。プーランクの第一人者ロジェによる演奏はプーランクの魅力を余すところ無く完璧に表現している。疲れ切ったときにこれを聴くと一気に体がほぐれ、優しい気分になれるのだから不思議だ。お薦めは冒頭の「メランコリー」。この曲がプーランクのピアノ曲の魅力をよく表わしていると思う。 (国内盤L POCL-1858)
 
■コルンゴルト 交響曲嬰ヘ長調、組曲「から騒ぎ」〜室内オーケストラのための
ロンドン交響楽団 (指揮)アンドレ・プレヴィン (1996録音)
やっと買った・・・。以前、輸入盤を買おうとしたところ、日本盤のジャケットがかっこよかったのでいつか買おうと思っていた。ジャケットだけ見るとホルストの「惑星」かと思ってしまうが・・・ 交響曲の方は想像していたよりもおとなしかったが、やはりスケールはでかい。ライナーノーツには「ロマン派最後の作曲家」「音楽の新しい潮流に乗ることはなかった」などと書かれていたが、私はそれほどロマン派的な印象は持たなかった。形式的にはそうなのかもしれないが。結構現代的な解釈があり、いろんな作曲家の影響が見られる(特にR.シュトラウス)。しかし、映画音楽の作曲家として有名なだけにフィナーレはSF映画を彷彿とさせる。ヴァイオリン協奏曲しか知らない人はこれも聴くべし。「から騒ぎ」の方はヴァイオリンとピアノによる演奏の方が親しみが持てる。 プレヴィンの演奏はいつもながら的確且つ繊細で非常に安心して聴ける。 (国内盤G POCG-10036)
 
■シベリウス 交響曲第3番、交響曲第6番、交響曲第7番
フィンランド放送交響楽団 (指揮)ユッカ=ペッカ・サラステ (1993録音)
このCDもようやく買ったという感じだなぁ。98/2/10の京響の演奏会用の予習として買ったもの。なかなかシベリウスの交響曲を3曲入れたCDは出ていないのでちょっと嬉しい選曲。サラステもフィンランドRSOも初めて聴くが、率直な意見として「初々しい」と感じた。確かにサラステは若いが、FRSOは世界で最も歴史のある放送オケ。しかしその響きたるや、まさに清涼感に溢れる。どの曲をとっても音が自然に流れ出る感覚で、ながら聴きをしているといつの間にか終わってしまっているくらい。中でも第6番は絶品。京響の演奏会でこの曲を聴いたが、このCDの叙情とはほど遠いものだった。今年の来日公演には残念ながら行くことができないが、両者の組み合わせによる曲は他にも聴いてみたいと思う。 (国内盤 WPCS-6214)
 
■マーラー 交響曲第5番
USSR TV and Radio Large Symphony Orchestra,Moscow (指揮)キリル・コンドラシン (1974録音)
中古CD屋で見つけたマニアックなCD。ロシアのマーラー演奏には独特の風習があるという事を聞いたことがあるので、一度聴いてみたかった。しかし、コンドラシンは良いにしてもこのオケはいったい何処なんだ?聞いたことないぞ??訳し方も分からないし・・・怪しみながら、恐る恐る再生してみた。出た!冒頭から古き良きソ連時代のオケの響き!トランペットのヴィブラートがすごい!これはマーラーなのか?!誰の曲か訳が分からないまま猛進するオケ。乱れても、はずしても、お構いなしに吠える管楽器。身を切るように痛切に響く弦楽器。大地を揺るがす低弦。何でもあり状態だが何故か演奏に引き込まれる。つまり、あまりにもシャープなのだ。これほどすさまじいまでの恐怖と身に詰まる緊迫感を出したマーラー演奏はあっただろうか。何か別 の意味で良い演奏だった。他にもロシアのオケでマーラーを聴いてみたい。 しかしこのオケは何処なんだ?知っている人があれば教えて欲しい。(※追記:このオケはモスクワ放送交響楽団にあたるらしい) (輸入盤 AUDIOPHILE CLASSICS APL101.501)
 
■ラフマニノフ ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第1番〜第4番、パガニーニの主題による狂詩曲
ピアノ:クン・ウー・パイク
モスクワ放送交響楽団 (指揮)ヴラディーミル・フェドセーエフ (1998録音)
新録なのにかなり安い値段で売っていたので思わず買ってしまった。ピアノは韓国出身のクン・ウー・パイ。読み方が合っているのかどうなのか分からない。聞いたことないピアニストだが腕は確かだ。録音はかなりピアノメインの録り方をしているのでピアノばかり目立つが、芯が非常に太くてラフマニノフにはもってこいの出来映え。奇をてらった演出や感情におぼれた演奏はしない代わりにしっかりとした表現でもって曲を作り上げている。2番と3番が完成度の高い演奏となっている。本当はロシアのオケでコテコテのラフマニを聴こうと思って買ったのだが見事に外されてしまった。最近のロシアのオケは一時期のようなスリリングな演奏をせずエレガントにおさまってきたのでちょっと面白味がない。このCDではパガニーニ・・・がオケは燃えていた。これくらいじゃないとね。 (輸入盤 BMG 09026 68867 2)
 
■ベートーヴェン  交響曲全集
交響曲第1番〜第9番
(ソプラノ)シェイラ・アームストロング、(メゾソプラノ)リンダ・フィニー、(テノール)ロベルト・テアー、(バス)ジョン・トムリンソン、フィルハーモニア合唱団
フィルハーモニア管弦楽団 (指揮)クルト・ザンデルリンク (1981録音)
なんという安さだ! 5枚組で2800円弱!! タワーレコードだけの独占企画らしいが、ザンデルリンクの渋い演奏が聴けるということで迷わず買いました(値段から考えても迷うわけないのだが)。 録音自体も80年代前半のデジタル録音であり文句はなし・・・と思ったが、あんまり録音は良いことない。さらに、録音レベルが低い! ボリュームを上げないと良く聴こえない。これではノイズが目立つ。 演奏の方はきわめてオーソドックス。しかし退屈するかというとそうではなく、ゆったりとした流れの中に息づく安心感。最近は古楽演奏や、刺激のあるベートーヴェンに慣れているだけにどれほど心落ちつくことか。この再販は掘り出し物かもしれない。 (輸入盤Disky HR-704632)
 
■R.シュトラウス 合唱と管弦楽のための秘曲集
吟唱歌人タイユフェ* 、さすらい人の嵐の歌、一日のうつろい
(テノール*)ヨハン・ボタ、(バリトン*)ミヒャエル・フォッレ、(ソプラノ*)フェリシティ・ロット、エルンスト=ゼンフ合唱団ベルリン
ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮)ミッシェル・プラッソン (1997録音)
これはマニアックだ!しかしR.シュトラウスファンとしては是非とも買わないといけない1枚。R.シュトラウスの合唱曲が聴けると言うことだけで大変な価値がある。当然、類似盤は今のところない。「吟唱歌人タイユフェ」は華やかで楽しい曲。R.シュトラウスらしさが至る所に見られ、まさに交響詩に合唱を付けたよう。それと対照的なのが、「さすらい人の嵐の歌」。個人的に曲の出来としては「一日のうつろい」が最も素晴らしいと思う。 演奏は話題のプラッソン=ドレスデンpo(先日、辞任が決定したが・・・)。取り立ててオケはうまいわけでもなく、伴奏に徹しているようにも聴ける。何にしても合唱がメインとなる1枚である。 (国内盤EMI TOCE-9875)
 
■リスト ダンテの「神曲」による交響曲
ブゾーニ 「ファウスト博士」のための2つの習作、サラバンドとコルテージュ
ドレスデン国立歌劇場女声合唱団
ドレスデン国立管弦楽団 (指揮)ジュゼッペ・シノーポリ (1998録音)
シノーポリ=ドレスデン国立oによるリスト第2弾。前回の「ファウスト交響曲」は買っていないので、初めて聴くシノーポリのリストとなった。「ダンテ交響曲」は冒頭から身を切られるような痛烈な音で、まさに「地獄」を表わしている。シノーポリの手に掛かると、こういう神経質な標題音楽は隅々まで解剖され、隙のない音楽になる。ドレスデン国立oも味のある演奏で聴き手を物語の中に引きずり込む。第2楽章は合唱が入るまではいささか退屈な感じがするが、こういうあまり演奏しない曲が出たことに感謝している。併録のブゾーニは単調な曲で、あまり強い印象は持てない。 (国内盤G POCG-10129)
 
■ヴァレーズ エドガー・ヴァレーズ作品全集
チューニング・アップ、アメリカ ポエム・エレクトロニク、アルカナ、ノクタナール、暗く深い眠り(オーケストラ・ヴァージョン)、 暗く深い眠り(オリジナル・ヴァージョン)、 オフランド、ハイパープリズム、オクタンドル、アンテグラル、エクアトリアル、イオニザシオン、密度21.5 砂漠、バージスの踊り
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 ASKOアンサンブル (指揮)リッカルド・シャイー (1992、1998録音)
ついに私もこういう現代曲に手を出すようになったか・・・ 以前シャイーのCDでモソロフの「鉄工場」を聴いたとき、一緒に入っていたのが「アルカナ」であった。「鉄工場」がすごく気に入ったので、「アルカナ」も一度聴いてみたいと思っていた。それから4年ほど経ってこのように全集として出たものだから逃す訳にはいかなかった・・・第2次世界大戦後の音楽に多大な影響を及ぼしたヴァレーズ。一度は聴いておかないと現代音楽は語れないだろう・・・ オープニングは「チューニング・アップ」。タイトルのごとく、演奏前に行なわれるあのチューニングの事。ユニーク極まりない曲で、これは誰もが楽しむことのできる曲だと思う。他には、代表作の「アメリカ」「アルカナ」。このアヴァンギャルドの曲風には背筋がゾクッと来る。まさに空間音楽。 曲のタイトルは多くが科学用語から成っているので理系人間には取っつきやすいかも?! 唯一メロディアスな曲は「暗く深い眠り」で初期の頃の作品である。 演奏はシャイー=RCO。このコンビの現代曲は他を凌駕するほどの精密さ。全ての音を描き切った上にこのきらめき。ほんと、脱帽です。 (国内盤L POCL-1847/8)
 
■ドビュッシー  管弦楽のための映像、夜想曲
モントリオール交響楽団 (指揮)シャルル・デュトワ (1988録音)
このCDはベルリン・フィルの演奏会の予習として購入した。夜想曲は以前ラジオでしか聴いたことがなかったので・・・ ドビュッシーのCDは、同じくデュトワ=OSMの「海」ほかを持っているが、この2枚のディスクは同じ年にリリースされ、どちらもレコード・アカデミー大賞を争ったほどの名盤(結局「海」が大賞をとった)。言うまでもなく、このコンビによるフランス音楽は最上。文句ありません。 (国内盤L POCL-5170)
 
■ベルク アルテンベルク歌曲集、「叙情組曲」から3つの楽章(弦楽合奏版)、歌劇「ルル」からの交響的小品(「ルル」組曲)
(ソプラノ)ジェリアーヌ・バンス
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮)クラウディオ・アバド (1994録音)
アバド=WPhによるベルクの歌曲集第2弾。ウィーン・フィルの美しさを存分に引き出し、かつ大胆なベルク像を構築している。以前に発売されたアバド=LSOの録音を聴いたことがないのでちょっと比較しようがないが、かなり洗練された曲想になっていることは確かだろう。しかし、いつも「ルル」組曲の「ルル!わたしの天使」での絶叫場面 には背筋がゾクッとくる。 (国内盤G POCG-1970)
 
■ラフマニノフ 交響的舞曲
ヤナーチェク タラス・ブーリバ
北ドイツ放送交響楽団 (指揮)ジョン・エリオット・ガーディナー (1993録音)
精力的な活動をするガーディナーによるラフマニノフ。ガーディナーのラフマニノフは珍しく、またNDRsoとの組み合わせもどうなるのかと期待して聴いてみた。これが意外というか何というか「あっさり」。この曲特有のテンポの大きな揺れやダイナミズムは影を潜め、純音楽的に歌っている。最後の激しい銅鑼の残響にはびっくり。「タラス・ブーリバ」は美しくまとめあげている。 (輸入盤DG 445-828-2、国内盤G POCG-1880)
 
■ショスタコーヴィチ バレエ組曲第1・2・3番
スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 (指揮)ネーメ・ヤルヴィ (1988録音)
ショスタコーヴィチの珍しいバレエ組曲集。バレエ組曲第1番の第1曲、第6曲はジャズ組曲第1番に、バレエ組曲第2番の第3曲はジャズ組曲第2番にも使われている。その辺のさらに詳しいことはよく知らない。 ヤルヴィはあんまり好きではなかったが、この演奏を聴いて大変興味が湧いた。SNOも明るく元気な演奏で華やかさを一層引き出している。第1番の第5曲(Waltz-Joke)でのピッコロのスタッカートが心地良い!どの曲も飽きのこない素晴らしい演奏。ちなみにバレエ組曲という名では5曲書かれている。 (輸入盤CHAN 8730)
 
■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」(弦楽合奏版 マーラー編曲)
ブラームス ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽曲版 シェーンベルク編曲)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮)クリストフ・フォン・ドホナーニ (1995録音)
珍しい編曲版。しかしベートーヴェンの弦楽四重奏曲の弦楽合奏版は多く出ており、バーンスタインによる第14番、16番は素晴らしい名演であった。「セリオーソ」もいくつか弦楽合奏版が出ており、期待して買った。 バーンスタインの華麗さとは異なり、ドホナーニの落ちついた重苦しい演奏は原曲がカルテットであることを忘れさせる。ブラームスの方はもう原曲などは吹っ飛んで、華麗な管弦楽に早変わり。シェーンベルクのオーケストレーションは楽しく、自分の曲にしてしまっている。どちらにしても元の曲と聴き比べると面白いことだろう。 (輸入盤DECCA 452 050-2、国内盤L POCL-1684)
 
■マーラー 交響曲第9番
R.シュトラウス メタモルフォーゼン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮)サー・サイモン・ラトル (1993、1997録音)
これは以前FMでライヴを聴いて非常に感動した覚えのある演奏。CD化を待ち望んでいただけに嬉しい一枚(発売して半年後に買ったが・・・)。 ラトルとWPhとのこの演奏をめぐるエピソードも感動を一層大きくしている。 ラトルらしいマーラー観。聴いてて次に繰り出されるフレーズにわくわくしてしまいます。第4楽章の美しさにはほれぼれ。併録のメタモルフォーゼンも素晴らしい演奏。WPhをここまで操れるとは今後の録音がかなり楽しみ。 (国内盤EMI TOCE-9701/02)
 
■メシアン トゥランガリーラ交響曲
パリ・バスティーユ管弦楽団 (指揮)チョン・ミュンフン (1990録音)
98/11/20の京響の演奏会の予習用に買った1枚。前から欲しいと思っていたのでようやく買ったといった感じ。シャイー=RCOの演奏は聴いたことがあったが、豪華絢爛な音絵巻だった気がする。しかし、チョンの演奏はもっと作品の深層部に入り込んだ素直な解釈。メシアン自身が録音にも立ち会っており、作曲者の意図もよく伝わっているのだろう。それにしてもこの曲の内容は非常に複雑。チョンがわかりやすく説いてくれているが、詳しく知ろうとすると現代音楽の難しさに直面 してしまう。 (国内盤G POCG-7111)
 
■ベートーヴェン ピアノ・ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ロマンス第2番、ヘ長調 ロマンス第1番ト長調、ピアノ・フルートとファゴット管弦楽のためのロマンス・カンタービレ Hess13
あまり演奏されることのない協奏曲。しかし、1度聴いてこの曲のファンになりました。ベートーヴェンの作品の中でもかなり出来の良い曲だと感じた。演奏者がうまいというのも大きな要因だとは思うが。チョン・キョンファのヴァイオリンは最近更に磨きがかかって歌わせ方がすごい!現代屈指のヴァイオリニストだ。 全ての奏者が突出することなくバランスよく優しく奏でているこのアルバムは近年希にみる心地よさ。チョン・トリオと、ガロワ兄弟というのも面 白いところ。 (国内盤L POCG-10100)
 
■マーラー 交響曲第2番「復活」
(ソプラノ)ヒーサー・ハーパー、(メゾ・ソプラノ)ジャネット・ベーカー、 バイエルン放送合唱団
バイエルン放送交響楽団 (指揮)オットー・クレンペラー (1965録音)
このCDの良いところ  1. 安い(輸入盤で1380円で買った)  2. 1枚である(この曲が2枚組でないのは聴く方としてはうれしい)  3. 演奏が良い(当たり前・・・)  マーラーの2番は私にとって8種類目であり良い演奏も聴いているのだが、クレンペラー盤は実に新鮮だった。何より一気に聴き通 してしまった。1枚だからといって決して早い演奏には感じない(確かに4、5楽章は早いが・・・)。それだけ充実している演奏なのだ。最後のたたみこみも見事。これがマーラー直伝の演奏なのか。これは買いです。 (輸入盤7243-5-66867-2-4、国内盤EMI TOCE-8747)
 
■ショスタコーヴィチ 交響曲第15番、ピアノ協奏曲第2番、組曲「馬あぶ」より
(p)ミハイル・ルディ
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮)マリス・ヤンソンス (1985、1993録音)
初めて聴いた曲なので他の演奏と比べることは出来ないのですが、何より驚いたのはロンドンpoのうまさ。このオーケストラがこんなに綺麗な音を出すとはあまり思っていなかった。演奏の方はヤンソンスらしい丁寧な音づくりで、併録の「馬あぶ」行進曲では何とも言えぬ スピード感を見せる。やはりヤンソンス。最近乗っています。 (輸入盤7243-5-56591-2-5、国内盤EMI TOCE-9880)
 
■エルガー  交響曲第1番*、交響曲第2番、行進曲「威風堂々」全5曲*、序曲「コケイン」(首都ロンドンにて)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団*
ロンドン交響楽団 (指揮)アンドレ・プレヴィン (1985、1993録音)  
やっぱり英国ものは英国オケしかできないのか?と思ってしまうほど充実した演奏。プレヴィンの奇をてらわず、朗々と歌い上げているところが英国の雰囲気を見事に醸し出している。1番、2番とも複雑で難曲なのだが、う〜ん、うまい。威風堂々はあっさりとやってると思って期待はしていなかったのだが、いいんじゃないでしょうか。1番はちょっと速いが、どれもいま出ているディスクの中では最上のものだと思います(バルビローリ=NPOの演奏が一番好きだが。激しくて)。 (国内盤Ph PHCP-9369/70)
 
■ショスタコーヴィチ 交響曲第4番
ブリテン ロシアの葬送
バーミンガム市交響楽団 (指揮)サー・サイモン・ラトル (1994録音)  
ラトルによるショスタコーヴィチは初めて聴きます。4番は非常に騒がしい曲。それをラトルがやるとなるともう燃えまくっています。併録のブリテンは美しい曲だが、響き的にちょっと不満がないでもない。 (輸入盤7243-5-55476-2-0、国内盤EMI TOCE-8747)
 
■ショスタコーヴィチ ダンスアルバム
モスクワ・チェリョムーシカ(オペレッタOp.105よりの組曲)、ボルト(バレエOp.27aよりの組曲/1934年版)、馬あぶ(映画音楽Op.97よりの抜粋)
フィラデルフィア管弦楽団 (指揮)リッカルド・シャイー (1995録音)
これはまた珍しい曲集。どれもフィラデルフィア・サウンドで綺麗なこときわまりないのだが、こういう曲ばかり収められるとちょっと飽きが来てしまう。中でも世界初録音となる「モスクワ・チェリョムーシカ」は一番素晴らしいと思う。なぜこんな曲がいままで日の目を見なかったのだろうか? (国内盤L POCL-1688)
 
■ブルックナー 交響曲第7番(ノヴァーク版)
バーミンガム市交響楽団 (指揮)サー・サイモン・ラトル (1996録音)
ラトルのブルックナー。どういう演奏になるのか楽しみにして聴いた。さぞすごいことをやってくれるのではないかと。その期待は大きく外され、正統的な純音楽となっていた。なんだかがっかりしたが、奇怪なブルックナーも聴きたくないよねぇ。それにしても冒頭の弦合奏があまりにも美しい! (国内盤EMI TOCE-9597)
 
■ベルク 7つの初期の歌(1928年管弦楽版)、ワイン(オーケストラを伴うコンサート・アリア)、管弦楽のための3つの小品
(メゾ・ソプラノ)アンネ・ソフィー・フォン・オッター
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮)クラウディオ・アバド (1992、1993録音)
アバド=WPhのベルクとなれば聴かずには居れないでしょう。期待通りなんともお洒落で優雅な香りを放っている。WPhも素晴らしいが、何よりオッターの美声には参りました。「これぞ一流の声楽」というのを存分に味わわせてくれます。どこをとっても生温い表現はない! 「管弦楽のための3つの小品」もWPhの独壇場。最後の一打には緊張感が走ります。 (国内盤G POCG-1945)
 
■マーラー 交響曲第5番
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮)クラウス・テンシュテット (1988録音)
やっと再販してくれました。この曲はいろいろな演奏を聴いているが、この録音ほど引きつけられるものはありませんでした。以前、友人から借りて聴いたとき、あまりの衝撃に3回も続けて聴いてしまいました。この録音はテンシュテットがガンとの闘いからカムバックしたときのライヴ録音。そのエピソードだけでも感動ひとしおなのだが、テンシュテットに対する尊敬を持ったLPOの入魂の演奏。テンポは78年の録音よりもずっと速く、フィナーレに向かって突進していく。死を垣間みたマエストロの心の境地なのだろうか。とにかく凄い。 同曲の一番のお薦め。 (国内盤EMI TOCE-3322)
 
■モーツァルト レクイエム(バイヤー版)
(ソプラノ)マリー・マクローリン、(ソプラノ)マリア・ユーイング、(テノール)ジェリー・ハドレー、(バス)コルネリウス・ハウプトマン、バイエルン放送合唱団
バイエルン放送交響楽団 (指揮)レナード・バーンスタイン (1988)
やっと買った。バーンスタイン唯一のモツレク。これで、モツレクはジュスマイヤー版、ランドン版、バイヤー版の3つが揃った。どれが良いかはやっぱり演奏によるなぁ。このバーンスタインによる演奏は、なんだか違う曲を聴いている心境。とにかく遅い!「ラクリモサ」はこれでもかというほど。しかしそれがかえって純粋な祈りに変わっている。 バーンスタインの妻フェリチア没後10周年を記念して捧げられたライヴ録音。 (国内盤G F00G-20444)
 
■ラヴェル ダフニスとクロエ(全曲)、高雅で感傷的ワルツ
ロンドン交響楽団合唱団
ロンドン交響楽団 (指揮)クラウディオ・アバド (1988)
ラヴェルが得意なアバドによる「ダフニスとクロエ」。LSOのきらびやかなサウンドを全て引きだした演奏。ブーレーズ=BPOの迫力満点の名演も良いが、この演奏も違った魅力で楽しませてくれる。 併録の「高雅で感傷的ワルツ」もLSOにぴったりできめ細かく作られている。 (国内盤G POCG-1002)
 
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