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2009年3月13日〜15日 びわ湖ホール プロデュースオペラ「トゥーランドット」
ゲネプロ&15日公演(滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール)

演奏曲目および評価

プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」
(全3幕・イタリア語上演・日本語字幕付き)
びわ湖ホール・神奈川県民ホール・東京二期会・日本オペラ連盟の共同制作

演奏者(指揮者・ソリスト)

トゥーランドット姫:横山恵子
アルトゥム皇帝:近藤政伸
ティムール:志村文彦
カラフ:水口聡
リュー:木下美穂子
ピン:晴雅彦
パン:大野光彦
ポン:大槻孝志
役人:与那城敬
合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル、二期会合唱団
児童合唱:大津児童合唱団
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:沼尻竜典
演出:粟国淳

感想・短評

【3月13日 ゲネプロ見学】
オペラのゲネプロが見られるという貴重な体験でした。オーケストラのリハーサル見学は何度か行ったことあるが、オペラというのはなかなか機会がない。100組(200名)の招待ではあるものの、少し多めに呼んだらしい。3階と4階席のみの開放でそれなりに埋まっていた。いつもは4階席のバルコニーで見ているが、今回は無料招待なので3階席のほぼ真ん中の好位置で観覧した。これまたなかなか機会がない(高いから)。

ゲネプロなので途中で止まったり、歌わなかったりすると思ったら、今日は完全に通しで演じられました。本気で歌って、明後日の本番は大丈夫なのだろうか? さて、演出の方はユニークな演出で結構気に入りました。「トゥーランドット」のイメージに合っているかと言われると、そうも思わなかったけど、豪華で細部までこだわった衣装とセットには見とれました。設定は中世を基礎としつつ、異惑星の未来的イメージといったところ。まるでゲームかスペースファンタジーの世界そのものでした。ひとつ違和感があったとすれば、ピン・パン・ポンだろうか? まるでサイヤ人のような出で立ちで、決して良い人には見えない。この3人はコミカルな和みキャラだと思っていただけに。。。

オケはまだまだ完成ではないなという印象でした。ちょっとミスも目立っていた。沼尻さんも少し速めでしつこさのない、あっさりとした音作り。個人的にはいつもの熱さでネッチリいってもらいたかったので、肩透かしかな? カーテンコールで京響の楽員がステージ上に上がって楽しそうにしていたのが印象的でした。本番も楽しみ。

【3月15日公演】
本当は配役からすると14日の公演に行きたかったのだが、昨日はPACの定期演奏会があったので、何も考えずに15日のチケットを取ってました。さすがに14日公演は配役のせいもあり“満員御礼”だったそうです。今日の15日公演は・・・結構空席が目立ちました。おまけに、13日に見たゲネプロは今日の配役。つまり、同じ配役の公演を2日間見ることになる。

しかし、全く違っていたことがある。それは「本番」という本気度だ。ゲネプロでも手を抜いていたようにはあまり思わなかったのだが、歌手もオケも指揮者も全員、ゲネプロとは比較にならないほど本番の高みに押し上げられていました。特にオケは仕上げてきたな〜という感想が強かったです。金管の伸びのある響きを感じるだけでその違いが歴然でした。さすが京響・・・。沼尻さんもやはり本番となると熱の入りようが違った。ゲネプロでは感じなかったキレが生きてました。歌手陣は良く声も出ていたのですが、カラフ役は本番と言うことで力が入っていたんでしょう。だいぶピッチが高かったです(汗)。

全体的には満足なオペラでした。演奏も良いし、話も面白いし、演出も面白いし。熱狂の内に終幕。ゲネプロの時と同じように、京響の楽員もカーテンコールに登場。こういう粋な演出に観客からも歓声が沸いてました。広上さんにしても、沼尻さんにしても、オケを盛り上げようといろんな試みをしているところがうれしいです。

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