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2005年11月15日 大阪センチュリー交響楽団
第106回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

リムスキー=コルサコフ  スペイン奇想曲
松下 功  和太鼓協奏曲「飛天遊」
チャイコフスキー  交響曲第1番「冬の日の幻想」



演奏者(指揮者・ソリスト)

和太鼓: 林 英哲
指揮: 小泉 和裕

感想・短評

注目の林英哲。これを聞く(観る?)ためにチケットを買った。2000年のベルリン・フィル・サマーコンサートでの同曲の演奏を放送で聴いて大きな衝撃を受けた経験がある。それほどすさまじい求心力を持つ和太鼓の迫力。果たしてそのときの感動を今日再現することはできるのだろうか?

手始めはスペイン奇想曲。綺麗にまとめようとしていたが、それが故にこれという特徴はなく、楽しく飛び跳ねるような演奏にはならなかった。最後こそたたみかけるような勢いを見せたものの、メロディも鮮明でなく、何となく空騒ぎな演奏だった。

さて、今年は太鼓の当たり年か? 年明け早々のコンサートでも三枝さんの太鼓協奏曲を聴いている。曲としては三枝さんの方がおもしろかったと思うが、今回も手に汗握り、珍しくコンサートなのにノドが渇くほどになった。メロディではなく心にヒットする和太鼓。オケはもはや何を演奏しているのか分からなかったけど。。。こんな複雑な曲を合わせた小泉さんやオケがスゴイのは言うまでもない。ただやっぱり、それを遙かに超える林さんの太鼓は超人的と言わざるを得ない。これまでに聞いたことのないすさまじい衝撃波でホールが震えていた。終盤の長いソロは圧倒的で、観客が固唾を飲んで聞き入っただけでなく、オケの団員も林さんに見入っていた。いつも冷静でエレガントな演奏をするティンパニの安永さんも、壮絶なティンパニの乱れ打ちに必死だったのが観ていておもしろかった。訳の分からない大音響で曲が終わると、会場から大歓声が起こった。いやー、盛り上がりました。小泉さんも指揮棒を譜面台にたたきつけてましたし。しかし、ベルリン・フィルでの演奏を聞き返してみると、ちゃんと曲になってますね。。。これがオケの実力差でしょうか? センチュリーの演奏も燃えさかっていましたが、いかんせんメロディがなかった。

本来は後半もメインの曲なんでしょう。太鼓で全集中力を使い果たしてしまい、聴く力が残ってなかった。おまけにチャイコフスキーの全交響曲の中で、唯一CDを持っていないし、聴いたことも数回しかないためになじみが薄い第1番。というわけで、ほとんど夢の世界に入っていました(笑)。おぼろげながらの記憶では第2・3楽章は非常に美しく、夢の中までちゃんと聞こえてきました。これまでは「金管に弱いセンチュリー」と思っていたが、うまくなった気がする。今日はとても良かったです。このチャイコフスキーは結構完成度の高いものだったと思うが、ちゃんと聴かなかったのが残念だったかも。

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