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1999年3月10日 大阪センチュリー交響楽団
特別演奏会(いずみホール)   → はいかーの報告へ

演奏曲目および評価

プロコフィエフ  古典交響曲(交響曲第1番)
コルンゴルト  ヴァイオリン協奏曲
ルーセル  バレエ組曲「くもの饗宴」



演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン: 渡辺 玲子
指揮: 小泉 和裕

感想・短評

オーケストラ画像今夜は渡辺さんのヴァイオリンが聴けるという事で楽しみにしていた演奏会。

はじめのプロコフィエフは平凡な演奏といったところ。いつものセンチュリーでは深みのある豊かな弦が聴かれるが、ここでは「!」というくらい堅い音を出していた。これがプロコフィエフ効果なのだろうか。ちょっと音程に不安感はあったのだが・・・ 冒頭のデュナーミクは効果的だったが、他にこれといったところは見られず。木管陣が良くなかったのも難点。特にフルートはもっとシャープが欲しかった!!

メイン(?)のコルンゴルト。冒頭から驚くばかりの深く分厚い音で聴衆を魅了する渡辺さん。最初ヴィオラでも弾いているのかと思ったくらい。オーケストラとのバランスもよく、どちらにもストレスのかからない秀演となった。第2楽章では心地いいくらいに歌いに歌っていた。第3楽章は激しいまでの超絶技巧。スリリングな演奏に思わず身も引き込まれそうに・・・オケの方はコルンゴルトの音楽のスケール感をよく表出していたと思う。木管は相変わらずだったが、ちょっと金属的な音のクラリネットなどは逆にいい味を出していたように思う。

しかしいつも思うが、一流のヴァイオリニストは何故あんなに大きな音が奏でられるのだろう? 不思議だ。終演後、渡辺さんと少しばかり話しをしたが、よくもまあ、細身の体であんなパワーのある演奏ができるものだと驚いてしまった。来年1月に京響で同じプログラムがあるので楽しみにしている。

最後はルーセル。これがメインなのだろうか? 聴いたことがない曲だったので細かくは言うことはできないが、もっと起伏に富んだ曲かと思いきや、何と平坦な・・・ 曲のイメージは何とかつかめたが、さらりと流れていく曲想にはちょっと不満が残った。演奏の問題ではなく、この曲をメインに持ってきたのが良くなかったのでは・・・ ちょっと期待していたのに消化不良となってしまった。

小泉氏の指揮は初めて聴いたが、非常に大きな身ぶりで的確な指揮をする姿には好印象を持った。また別のプログラムでその実力を聴いてみたい。

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