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2010年6月1日 ケルン市立歌劇場「ラインの黄金」
(ケルン市立歌劇場)

演奏曲目および評価

ワーグナー/楽劇「ラインの黄金」(ドイツ語上演、ドイツ語字幕)

演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴォータン:グリア・グリムスレイ ,Greer Grimsley
ドンナー:ミリェンコ・トゥルク ,Miljenko Turk
フロー:ミルコ・ロシュコフスキー ,Mirko Roschkowski
ローゲ:カルステン・スース ,Carsten Sus
アルベリッヒ:オリヴァー・ツヴァルク ,Oliver Zwarg
ミーメ:マルティン・コッホ ,Martin Koch
ファゾルト:クルト・リドル ,Kurt Rydl
ファフナー:アンテ・ジェルクニカ ,Ante Jerkunica
フリッカ:ダリア・シェヒター ,Dalia Schaechter
フライア:カサンドラ・マクコネル ,Cassandra McConnell
エルダ:ヒルケ・アンデルセン ,Hilke Andersen
ヴォークリンデ:ユッタ・ベーネルト ,Jutta Bohnert
ヴェルグンデ:レジーナ・リヒター ,Regina Richter
フロースヒルデ:カトリン・ヴンドサム ,Katrin Wundsam
管弦楽:ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
指揮:マルクス・シュテンツ

感想・短評

今回のヨーロッパでの芸術鑑賞もこれが最後。もともとオーストリアだけを回る予定のところ、せっかくフランクフルト乗り換えならばドイツも1都市行きたいということで目を付けたのがケルンだった。フランクフルトから200km近く離れているが、次回ドイツに来たときの観光ルートを考えると少し離れた場所にあるので今回はこの地に決めた。ドイツの超特急ICEに乗れば1時間弱で着くが、あえてここは風光明媚なライン川に沿って北上する2時間かかる従来ルートを選択。なぜなら・・・今日の夜に鑑賞するオペラは「ラインの黄金」だからだ(笑)。雄大なライン川の流れと古城が織り成す風景に酔いしれながらの旅でした。

さて、ケルン中央駅を出るとお出迎えするのが世界遺産の超巨大な大聖堂だ。分かってはいましたが、たまげる大きさでした。外観もスゴイが内部もスゴイ。世界で2番目にデカイ大聖堂らしいです。ちなみに、ウィーンにある3位のシュテファン寺院、リンツにある4位の新大聖堂にも行ったので、今回の旅行では見事に2〜4位を制覇だ。

その大聖堂からは歩いて10分弱ほどのところにケルン市立歌劇場がある。劇場は市民会館並みの質素なものだが、オペラには定評があるらしい。ネットで事前に一番安い4階席を押さえていったが、たったの11.25ユーロ(1300円弱)なのが驚きだ。もちろんちゃんと座席あります(笑)。おまけにかなり傾斜がついていたので舞台も見やすく全然悪くなかった。問題は言葉だけか・・・。

演目はまたしても一昨日のウィーン国立歌劇場に引き続きワーグナーで、ニーベルングの指輪の第一夜「ラインの黄金」。やはりライン川沿いの街で観ることに大いに意味がある。ただ前述のように言葉だけが問題なのだ。ウィーン国立歌劇場とは違い、ここの字幕はドイツ語のみ! おまけに大まかなストーリーしか知らなかったのでほとんどチンプンカンプン。途中かなり辛かったです・・・。まぁ、休憩でリフレッシュしようと思っていたけど、全1幕のために幕間の休憩なしで2時間半ぶっ通しでした。ニーベルングの指輪はこれがお決まりなんだろうか?せめて場間の休憩が欲しかった。

演出は飛び抜けて奇抜ではないが、現代(近代)に置き換えたストーリーだったので神格化されてなく分かりやすかった(だぶん)。演出が小澤征爾音楽塾オペラでもおなじみのロバート・カーセンだったからとっつきやすかったのかも知れない。オケはケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団。ケルン放送交響楽団とは関係があるのか分からないが、独特の力強い金管の響きが特徴のオケ。力をつけてきた指揮者シュテンツとともに、初めて聴くコンビはなかなか聴き応えのある演奏だった。ただ、ホールがあまり良くないためか、序盤は抑え気味に感じた。まぁ、日本のオケと抑えっぷりが違うけど。最初は歌手人もオケ同様に弱く感じたものの、物語が進むにつれてパワーが増していった。誰一人名前を知らないけれど実力派揃えだった。

音楽は十分堪能できたが、セリフが分かればもっと楽しめたのだろう。やっぱり海外旅行といえども語学は必須ですね。次回はもう少し知識をつけてから挑戦したい。

個人的に波乱もあったウィーン国立歌劇場や、ウィーン・フィルの演奏会など、今回の海外演奏会体験は貴重な思い出になった。日本では楽しめない音楽はそれぞれの現地に存在するんだなぁと改めて感じることができた。

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