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2008年11月11日 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
東京公演(サントリーホール)

演奏曲目および評価

ブラームス/交響曲第3番ヘ長調 op.90
ムソルグスキー(ラヴェル編曲)/組曲「展覧会の絵」


演奏者(指揮者・ソリスト)

管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮:マリス・ヤンソンス

感想・短評

また大物オケをハシゴするという荒業に出てしまった。今回のターゲットは飛ぶ鳥を落とす勢いのヤンソンス&コンセルトヘボウだ。改修後のサントリーホールは初めてなので楽しみだったが、実際に入ってみるとどこが変わったのかあんまり分からなかった(汗)。行き慣れてないから仕方ないか・・・

さて、演奏の方ですが、心で奏でるブラームスに心地よく浸かることができた。最初の出だしの感想は「音小っさ!」だったが、P席に座ったからそこは仕方がない。今まさに巨匠となったヤンソンスの風格というか、落ち着きというか、「これが音楽だ」と言わんばかりの自然な流れがホールを支配していた。ブラームスの交響曲の中では一番好きな第3番。特に最も聴かせどころの第3楽章は冒頭の低弦の深い音色に完全にノックダウン。ホルンがあまりにも完璧なので、開いた口が塞がらなかった。全くお手本のブラームス演奏といっても過言ではないほど満足できました。

後半は「展覧会の絵」。聴き飽きた曲なのに何でこんなに面白いのかと思う演奏だった。先日のN響の迫力演奏とは全く正反対の、じっくりと歌うスタイル。とにかく渋い!全体的に非常に遅めだし。「プロムナード」はあんまり好みではなかったが、第2曲「こびと」での緊張感、第4曲「古い城」での木管セクションの妙技や、冒頭のサックスもうまかった。無理な表情付けや、迫力に任せるようなことは一切しない自然体の「展覧会の絵」は滅多に聞けるものではない。ヤンソンスは体調が良くなかったのか、時折咳き込んでいたし、元気もないように見えたが、一流の名演奏が聴けたことは間違いない。

アンコールは、ブラームス/ハンガリー舞曲より第1番。ありふれた曲なのに、スゴイ気持ちが入ってた! アンコールというやっつけ仕事のような勢い演奏ではなく、深い哀愁に満ちた表情豊かな演奏。さらにアンコールのグリーグ/ペールギュントより「山の魔王の宮殿にて」では、ヤンソンス&オスロ・フィルで爆裂的な演奏を聴いたことあるが、これも勢いだけではない、聴かせっぷりだったのは面白かった。やっぱりコンセルトヘボウはじっくり聴くには素晴らしいオーケストラです。

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