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1998年11月29日 ハンガリー国立交響楽団
(ザ・シンフォニーホール)

作曲者
演奏曲
評価
マーラー 交響曲第2番「復活」
ソプラノ:管 英三子  アルト:伊原 直子
ハンガリー国立合唱団
指揮:小林 研一郎

【短評】 「歌うコバケン」
 最終楽章、コバケンは自らも歌いながら、独唱と合唱とオーケストラを見事に融合させた。一体となった音楽は感動的なフィナーレを構築し、聴衆を魅了する。コバケンのすばらしさを初めて体験した瞬間だった。独唱の2人も、強力な合唱陣に負けることなく、説得力のある語りで存在感を示した。ヨーロッパのアンティークのような響き(なんのこっちゃ?)のする、このオーケストラ。特別に美しい響きでもないのだが、歴史の深さと風土を感じさせた。
 今日も、冒頭からコバケンは燃えていた。重圧で切れのあるサウンドで第1楽章を突き進める。そして、息つく暇を与えない緊張感が漂う。ここではティンパニの2人とハイトーンでも柔らかさを失わない1stトランペットが見事!
 第2楽章以降もコバケンの熱気が伝わってきたが、連日の演奏旅行の疲れかか、アンサンブルが乱れることがしばしば。また、バンダのホルンが不安定(ハウリングを起こしていた。)だったのが残念。しかし、コバケンの雄大で明確な音楽造りは、そんなことを気にさせなくなる。
 そして、大きな波が打ち寄せるかのように、ドラマティックに仕立てられた最終楽章は、雄大な空間を築き上げた。
 今日は、コバケンがハンガリー響から厚い信頼を得ているのが良く理解できた。

【余談】 その1  感動のフィナーレのあと、コバケンが聴衆に語りかけた。「今日は 皆様のおかげですばらしい演奏ができました。一期一会とでも言いましょうか。アンコールをたくさん用意しているのですが、今日は このままの雰囲気で演奏会を終わらせたいのですが、いかがでしょうか?」アンコール好きで有名なコバケンだが、よほど興奮してい たらしく、聴衆の支持を得てアンコールを取りやめた。コバケンMVPだ!
その2  やっぱり!大阪の聴衆は拍手が早い。余韻を楽しむと言うことはで きないのだろうか。東京のマナーを見習いたいものだ。
その3  コバケンはオーケストラ全員を、両サイドの客席に向かわせ、深々とお礼をした。これほどまでにお礼してもらうと、聴きに来て良かったと思う。
その4  日本人指揮者では珍しく、カーテンコールが2回も行われた。アバド/BPO公演の時の様だった。
その5 (番外編) 大フィル・コンマスの梅沢氏がヴァイオリンをもって、楽屋口をう ろうろしていた。出番があったわけでも無いのに、何してたんだろう?今日発売されたチケットでも買いに来てたのかな? (まさかね!)

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