武満徹
ベートーヴェン
ウォルトン |
鳥は星形の庭に降りる
ピアノ協奏曲第3番
交響曲第1番 |
○
◎
◎
|
【短評】 なんと弦の瑞々しいことか。
大フィルの音が一変したようなコンサートであった。特に、ウォルトンでは最後まで集中力を持続させ、美しく、力のある合奏を聴かせた。アンサンブルが乱れることもあったが、個々の奏者の積極的な取り組みが見事な音色を生み出していた。尾高マジックだろうか。管・打楽器陣も大健闘。ゆったりとしたよどみないテンポであったが、だれることはなく、スケールの大きな、聴き応えのある演奏だった。
前半のベートーヴェンでは、清水氏の力強く、それでいて透明感ある柔らかい音色が印象に残った。特に第2楽章が極上の響き。ピアノがあんなにソフトな音が出せる楽器とは驚いた。武満については、やはり曲の内容が良く分からない。不思議な空間が浮かび上がるような曲だ。この日は大フィル弦楽群が充実した響きを出していたため、心地よく聴くことは出来た。 |