もう関西では有名なオペラシリーズとなってきました。関西でオペラと言えば、びわ湖ホールプロデュースオペラでしたが、ここ近年は驚異的な集客力を誇る兵庫県立芸術文化センターの企画が目立ってます。毎年、メジャーな作品をユニークな演出で上演していますが、今回は奇抜さを排除し、王道ともいえる内容だったように思います。
実は「トスカ」を観るのは初めてで、事前に予習したものの、有名なアリアもそれほど聞き覚えがあるとは言い難い感じだった。ストーリーは単純明快なもので、イタリア人の偏見的なステレオタイプの内容で、最後は誰も残らず死んでしまうという悲劇。実にスッキリしない話だが、今日の演出や歌手陣によるためか、あまりドロドロ感は感じられず、むしろあっけなく終わったという感じもしないでもない。事前に予習していたミラノ・スカラ座の公演は壮絶な感じがしたのだが。。。
今回のオペラ公演は、主に外人キャストによるものと、日本人キャストによるものの2種類があった。外人キャストの公演も興味はあったものの、平日が主な公演日だったので、今日の日本人キャストの方に来たというわけだ。並河さんに福井さんという固定化しつつある一流歌手陣によるものなので不満はない。両者ともに素晴らしい歌を披露してくれたと思います。舞台は楕円形の少し傾いた回転ステージが舞台のほとんどを占めており、その周りに神殿のような8本の柱が立っているというシンプルなもの。場面によって、礼拝堂が追加されたり、大きな鏡が追加されたり、銅像が置かれたりしていた。最近のはやりなのだろうが、バックに映像投影を使うのは個人的にはあまり気に入らない手法なのだが。ちなみに、今回演出のダニエレ・アバドは、あの指揮者のクラウディオ・アバドの息子である。
演奏の方は元ウィーン・フィルのメンバーが数名参加していたこともあるが、良い音が出ていたと思う。もう少しメリハリをつけて劇性を付けてもらいたいと思ったりもしたけど。佐渡さんの指揮も比較的あっさりしていたように思う。
とはいえ、今日は千秋楽ということで会場も満員だし、最後のカーテンコールも大盛り上がりで満足しました。
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