車でのコンサート遠征は初めてかな? 地方での公演なので滅多に行かないホールなのだが、勝央の隣町の津山には行くことが多いので、特に「わざわざ感」はなかった。お気に入りの小谷口さんのクラリネットが聴けるとあらば「わざわざ感」一層ないんですけどね。会場に着いたのは13時半の会場直後。ほとんど観客は入場していたように思います。ホールは2階構造だったが、1階席しか開放されておらず、且つ1階席も後の半分は開放していなかった。全員で200人くらいだろうか。ブラスバンドの中高生が半分くらいを占めていたが、勝央町の広報誌でしか告知がなかったくらいなの
で、まぁこんなもんかな?という感じです。もっと告知をすれば入ったと思うので残念なところ。
そんなアットホームな中、演奏会が始まった。最初のポーランド民謡は2人とも演奏しながら入場するという演出(もちろんハープは手持ちの小さいもの)。小谷口さんらしいなぁ。控えめな楽しさが感じられる演奏でした。2曲目の「ヴィクトリアン・キッチンガーデン」は繊細で美しい響きが楽しめた。2人の上品な世界が繰り広げられていたと思います。冒頭がちょっとドラえもんっぽいメロディなのでおかしかったです(私だけ?)。楽しげな演奏会なのだが、メシアン、ラヴェル、フォーレは「死」をテーマとする曲も並んでいた。メシアンは小谷口さんのレベルの高さを存分に感じることのできた曲。無音からのクレッシェンドには感心するほか術がない。フォーレも涙を誘う名曲だけに、声楽パートをクラリネットで奏でるのは効果抜群だった。
後半は多種多様。トゥルニエは福島さんのハープの独壇場でしたが、小谷口さんは詩の朗読として参加。照明効果なども手伝い、独特の世界を演習していました。モーツァルト、ミヨー、テンプルトンと楽しい曲が最後続いたが、超絶技巧をひけらかすものではなく(もちろん難しいんですけど)、あくまでも耳に心地よい旋律として楽器の魅力をアピールしていたように思う。
曲の間のトークも多彩で、小谷口さんと福島さんの人柄が出た、とても楽しいひと時だった。きっとファンも増えたことだろう。勝央文化ホールについては、無音状態の圧迫感は感じるものの、楽器の輪郭がはっきり聞こえるので音響は良く、室内楽演奏会には適しているように思いました。あとは、もっと活用を考えることでしょうかね。それが今回の活動の1つでもありますし。
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