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2001年1月26日 京都市交響楽団
第431回定期演奏会(京都コンサートホール)

演奏曲目および評価

アッカー  交響曲第3番(世界初演)
ブルックナー  交響曲第4番


演奏者(指揮者・ソリスト)

指揮: ウーヴェ・ムント

感想・短評

最近は京響に行く機会がめっきり減ってしまっている。今回のプログラムは恒例のムント指揮のブルックナーなので行かない理由はどこにもない!

最初の曲は世界初演。3楽章形式に聴こえたが4楽章形式の大曲だった。非常に規模が大きい。特に凄かったのはパーカッション群。見える範囲だけでも18種類はあっただろうか。おまけに鉄琴を弓で弾くなど、鳴らし方もいろいろ。それに加えて、ピアノ、チェレスタ、シンセサイザー、ハープ、サックス、バスクラ、コントラファゴット、コールアングレなどなど。これほどの大きな曲が世界初演するのも大変だが、完成度高く演奏できた京響の実力は並大抵のものではない。今日の演奏はNHKの収録があるためか、演奏者の真剣味はいつも以上。弦楽器の艶やかな音色はいつもは聴けないものだった。第2楽章ではシンセサイザーが飛び出すほど多彩な表現が必要。最後の消え入るような一音が終わると、ムントは満足げに親指を立て「good」のサイン。ムントだけでなく、見知らぬ曲の快演に聴衆も満足したことはいうまでもない。

メインはブルックナー。アッカーの交響曲が予想以上の出来だったので、十分満足していたのだが、ブルックナーの演奏はその予想を遙かに上回った。とにかく「すげぇ」の一言。気迫が違う。特筆すべきはトランペット。非常に明るく吠えているが決して耳につくわけではない。金管・木管はその持てる力を120%発揮していたと思う。それにしてもレーニのクラリネットは21世紀も健在だ! 第2楽章では弦楽器も負けてはいなかった。特にヴィオラの伸びの良さは、今日の弦楽器の出来を象徴していた。なにしろスケール感が壮大。第3楽章では輝きと優しさ、そして爆発的な力。何も文句はありません。中間部のフルートとクラリネットのかけ合いなどは見事としか言いようがなかった。最終楽章のホルンが少し惜しかったくらいしか不満点はない。しかし、超重量級の京響を体験することができ、非常に幸せだった。

今日の演奏会終了時間は21時半くらいだった。演奏も素晴らしく、さらにボリュームもたっぷりであった。ムントが常任指揮者から外れるのは惜しいが、1年に1回程度は出番があるようなので、これからも大いに良い音楽を聴かせて欲しい。

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