ラフマニノフとマーラーというプログラム。良い組み合わせなんだかどうなんだか・・・。どちらにしても好きな曲なのでOKですが。
ラフマニノフでのノリピーはしっかりとした骨格を持っていたのでオケの中でも存在感があった。華麗さは少ないにしても、ラフマニノフらしいゴツゴツした演奏は合ってました。オケの方は、後半のメロディ部分では気張りすぎたのかちょっと重すぎな感じ。もう少し流暢さが欲しかったので残念なところ。それよりも、いつも座っている席(P席)とあまり変わらない場所だったのだけど、今日の演奏は音がこもるというか、乱反射するような感じでどうも音がつかめなかった。ラフマニノフは曲が複雑なのも関係しているのか?悪くない演奏でしたが、心底楽しめるまでには至らなかった。
後半のマーラーは良い演奏でした。前半で感じたような乱反射?は感じなくなり、マーラー4番の軽やかで楽しい世界が楽しめました。しかし、解説書を読んでいたところ、この曲はメルヘンチックな曲ではないとのこと。確かに、マーラーの曲の背後には常に「死」が潜んでいるので、この曲も例外ではなかったらしい。そのように聞くと、楽しくて天国的な風景を想像していた曲が、急に寒々とした精神的な暗部を持つ曲に聞こえてくるのだから不思議だ。どちらにしても、それらを思い浮かべるには十分整った丁寧な演奏でした。
特に第3楽章の美しさは絶品で、普段は線が細くて不満もあるヴァイオリンを始めとする弦楽器がとても美しかった。重量感のある厚みを必要としない、このような曲には京響の弦は適してますね。木管も大活躍する曲だが、こちらはいつも通り文句のない演奏。もう少しクラリネットの主張が欲しかったかな(贅沢な要望?)。終楽章ではソプラノの独唱も入って美しく響かせる曲だが、いかんせんそこはP席。全く声が飛んでこないのでほとんど聞こえませんでした(涙)。
上手いし、丁寧な演奏でしたが、何か物足らなくも思った(感動的ではなかった?)。大友さんの指揮が淡々としていたためかな?(これもまた贅沢な要望か??) しかし、京響の演奏会としては珍しく、大友さんが指揮を終えてからも10秒近く静寂がホールを包むという「名演」の時のような雰囲気が漂った。いつもこうならねぇ。演奏中の客のマナーは相変わらずだが、フライング拍手がないだけでこんなに余韻が楽しめるなんてね。
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