今日の演奏会は体調があまりよくなかったのもあり、集中力に欠けたのか、何故か心地よく聴けなかった。1曲目の「マンフレッド序曲」は立派な演奏だったと思うが、スケールがいま1つ大きく感じられず、特徴が感じられず、ちょっと消化不良だった。
2曲目のシューマンのピアノ協奏曲も同じような感想を持った。やはり体調と気分の問題なのだろう。モヤモヤと輪郭がはっきりしない。それがシューマンらしいと言ってしまえばそれまでだが・・・。昨日の小曽根さんのピアノがインパクト強すぎたのか、若林さんは端正に弾いている分、面白味に欠ける。それがシューマンと言ってしまえばそれまでだが・・・。第2楽章は色付けのない素直な演奏で心地よかった。聴き手側の問題なだけで、素直な良い演奏だったと思います。
後半はワーグナー特集。先月に「タンホイザー」を観たばかりだから、今年はワーグナーラッシュで喜ばしいばかりだ。まずはタンホイザーより大行進曲。少しテンポが速めだったので厳かな感じを受けなかったが、最大に気に入らなかったのは合唱がない点だ。この曲から合唱を省いたら魅力は半減でしょう! トランペットの別動隊を3階席に配していたのは効果的でした。
「タンホイザー」からもう1曲はお決まりの序曲。真面目で正統的な演奏だったと思います。逆に言うと劇性に乏しくて地味な演奏だった(悪いという意味ではないですよ)。ヴェヌスベルクの音楽は少し退屈だった。そもそも後半から移った座席の音響がよくなかったので楽しめなかった感が大きい・・・
それでも最後の「トリスタンとイゾルデ」は素晴らしい演奏でした。気分的に乗ってなかったのに一気に目が覚めたような演奏でした。甘く切ないメロディは病んだ心にジワジワ沁みこむ感じでした(病んどったんかいな)。京響で全曲を聴いてみたいかも。なかなかワーグナーのオペラはやってくれないからなぁ。なんにしてもあとを引くような美しい秀演でした。
デリックさんの指揮はいつもながらにダイナミックで見ていても面白い。今日のようなプログラムが合っているのかどうかは分からないが、やはりダイナミックな曲を聴いてみたくなりますね。
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