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2008年10月19日 京都市交響楽団
第517回定期演奏会(京都コンサートホール)

演奏曲目および評価

エルガー/行進曲「威風堂々」第1番二長調 Op.39
ヴォーン=ウィリアムズ/交響曲第5番二長調
シベリウス/交響曲第5番変ホ長調 Op.82



演奏者(指揮者・ソリスト)

指揮:大友直人

感想・短評

このところ嬉しいことに京響の演奏会の観客の入りがよい。今日のプログラムは地味で花がない感じなのだが、比較的良く席が埋まってました。そんな状況だからという訳ではないが、さすがは京響と思わせる演奏会だった。「威風堂々」はおまけだと思ってたのに、今日の演奏は理想的とも言えるまさに「堂々」たる風格だった。全く急ぐような要素はなく、むしろ音を引きずるような多少重苦しくも感じるものだった。聴き慣れていて、期待していなかった曲だけに、いきなりの名演奏に鳥肌が立った。

ヴォーン=ウィリアムズも無類の名演だった(と思う)。全く予習していなかったので、初めて聴く曲だったのだが、これ以上美しい演奏があるのだろうかと感じてしまった。大友さんの得意曲なのだろうが、正確で丁寧な曲の組み立てに脱帽でした(それに応える京響のポテンシャルもすごい)。特に第2楽章は、冒頭の穏やかで幻想的な情景は他のオケでは再現できないだろう。第3楽章冒頭の教会音楽のような祈りの響きもしかり。非常に緻密な曲作りにただ驚くばかりだった。しかし、今まで聴こうとしたことがなかったヴォーン=ウィリアムズ。早速CD買おっと。

後半はシベリウス5番。シベリウスも京響が得意とする作曲家の1人だけあって、曲の雰囲気にとても合っている音色で心地よい。旋律が明確ではないので相変わらず捕え所は分からないのだが・・・。 個人的には第1楽章最後の素晴らしい残響にうっとりしました。第2楽章は技のデパートともいうべき個人技の宝庫。こういう木管の活躍する曲は特に京響の強み炸裂だ。ふわふわした曲なのでいつも楽章を意識することはないのだが、初めて第2楽章と第3楽章の区切りが分かりました(笑)。この曲の最大の特徴といえば、長い休止が何度も入る第3楽章の終結部だ。ここは意外にもあっさりで、少し早めのテンポで駆け抜けた。当たり前?かもしれないが、アンサンブルの乱れも全くなく、頭の揃った演奏は気持が良いものでした。

終演後はロビーでレセプションが開催された。てっきり交流会だけだろうと思ってのんびりとトイレに行こうとしたら、団員の1人に「終わっちゃうよ〜」といわれた。そんなに交流会がすぐに終わるはずがないのになぁと思っていたら、ロビーの方から音楽が聞こえて来るではないか!急いでロビーに戻ると、モーツァルトの13管楽器のためのセレナードが演奏されていた(涙)。交流会では特に誰と話ということはなかったのだが、少しだけ大友さんとも話ができた。今回のようにイギリス音楽をまた取り上げて欲しいとリクエストしておきました(笑)。

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