ちょっと心配してましたが、今日の観客の入りはあまりよくなかった。7割程度かな? プログラムがシューマン一色という地味なためだろうが、新型インフルエンザも流行っていることも関係あるだろう。マスクしている人は15人くらいしかいなかったけど。
そんなことをヨソに、最初の「マンフレッド序曲」は堂々とした力強さがあって、サラッと流されなかったのが良かった。いかにもオペラ序曲的な雰囲気が感じられ、これまで聴いた中でも楽しく聴けた演奏でした。
前半のメインは「ピアノ協奏曲」。ピアノの田村さんの特徴がよくつかめる演奏だったと思う。見た目とは異なり(失礼!)、壊れやすいガラス細工のようで、すごくリリカルな演奏。決して力強くはないのだが、ハッキリとしたタッチはとても好印象でした。オケがしっかり鳴らしていたのもgood。音色は美しいにもかかわらず表情に乏しかったオーボエは少し残念だったが、弦楽器はこのところ充実感がある。第1楽章最後の4音は今日一番の響きだった。しかし、この曲はメロディが美しい曲にも関わらず、退屈極まりない曲でもある。第3楽章への突入はいつも聞き逃すくらい(笑)。今日も睡魔で危うく落ちかけたがなんとか耐えました。。。いやいや良い演奏でしたよ。
アンコールは、ショパン「子犬のワルツ」。粒がハッキリしていて流れるような瑞々しさが印象に残った。最後の最後でミスタッチし、弾き直していたのが最高に愛嬌があった(笑)。高感度アップでした。
後半は交響曲第2番。京響は立派な演奏をするなぁと、しみじみ聴かせてもらいました。個人的には山下さんの指揮は速すぎて好みではなかったが、一般的ながらも壮快なシューマン演奏だったのではないだろうか?サヴァリッシュやバーンスタインのようなちょっと冗長?で雄大なテンポの方がドイツらしくて好きなんですが、それはそれ、これはこれ。快速テンポの中にあり、第3楽章のスローメロディは一層際立ってました。ため息が出るほどの美しさは、なんといっても木管セクションの妙技の賜物です。オーボエ、クラリネット、ホルンが秀逸でした。特にクラリネットの音色の美しさには会場全体が息を飲んでました。
そんなウットリする名演技のなか、隣の客が紙をガサガサするのでうるさいなぁと思って見たら書類を読んでた。それも、日経ビジネスかよ!そんなの演奏会中に見るなっちゅーの!一気に現実に引き戻された感じでした(涙)。そんな客は置いておいて、京響ならではの整ったシューマンでした。ほんと、オールマイティなオーケストラですわ。
最後に、9月末をもって退団するファゴットの山田さんの紹介と花束贈呈があった。会場からは惜しむ声と拍手が贈られた。定年や健康上の理由で辞めるわけではないのにこのような紹介がされるなんて、なんと素晴らしい仲間意識なんだろう。オーケストラの世界では珍しい光景を目にして、京響のレベルの高さの理由が分かった気がした。
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