関西を中心としたクラシックコンサート報告サイト「大音楽惑星」
Home Concert Report コンサートのススメ CD Review リンク集 kotarinette
 大音楽惑星 ホーム > コンサート報告 > 2010年 > 京都市交響楽団 第531回定期演奏会
クラシック・コンサート報告 コンサート報告
■年度別

■コンサートランキング
MANAITA.com
コンサート名・公演名

2010年1月22日 京都市交響楽団
第531回定期演奏会(京都コンサートホール・大ホール)

演奏曲目および評価

フォーレ/組曲「ペレアスとメリザンド」op.80
サン=サーンス/チェロ協奏曲第1番イ短調op.33
ショスタコーヴィチ/交響曲第10番ホ短調op.93



演奏者(指揮者・ソリスト)

チェロ:ガブリエル・リプキン
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:外山雄三

感想・短評

昨日の大フィルよりは入ってたかな?でも、チェロの鬼才リプキンが出るというには少なかったかなぁ。後半券のおかげで?最終的には結構埋まりましたけど。やっぱり平日は厳しいなぁ。

さて、最初の「ペレアスとメリザンド」は歌手なしの4曲編成版。歌なしの方が一般的だったとは知らなかった・・・。京響らしいおとなしく爽やかな演奏を想像していたが、なんのなんの。とてもゆったりと、しかも厚みのある重厚なフォーレでした。いつも速いテンポで突き進む外山さんだけに意外だったし、うれしい誤算だった。第1曲が秀逸でした。やっぱり京響の演奏は緻密ですわ。実に美しい。

続くチェロ協奏曲はいうまでもない。完璧なテクニックを駆使されると思考が停止します。何しろリプキンがウマイんだから。チリチリの髪の毛を振り乱しながらの弾き方を見ていると、ピアニストのファジル・サイを思い出した。才能ある人は雰囲気から特徴ありますね。ただ、これだけレベルの高いチェリストなんだから、オーケストラはもっと絡み付くべきだと思った。可もなく不可もなく、ちょっと遠慮がちで「伴奏」に徹しているように感じたのが残念だった。でもチェロはアンコールも含めて堪能できました。

 デュポー/練習曲第7番(リプキンによる編曲)
 バッハ/無伴奏チェロ組曲第3番より“ブーレ”

メインはショスタコーヴィチの10番。この曲は最近では11月に大フィル定期で聴いているので、比較的聴き飽きた感のある曲だ。しかし、意外にも京響で聴くのは初めてだった。外山さんの指揮では大味になると思っていたが、決して突っ走ることなく、余裕をもって確実に歌い込んでいく。強弱やテンポをあまり変化させないので一聴すると面白味に欠けるのだが、純粋にショスタコーヴィチの音楽を楽しめたと思う。それはやはり、何といってもオーケストラのウマサに他ならない。これまで聴いた10番の中では一番良かったのではないかと思う。今回特に印象に残ったのはティンパニだ。強烈なアタックはショスタコーヴィチでは効果的に働くからだ。いやー、パーカッション陣はいつもながらに素晴らしいです。もちろんショスタコーヴィチでは木管も聴き逃せない。今日の公演をもってしばらく海外留学に出るクラリネットの小谷口さんは貫禄のソロでした。1年後の演奏が楽しみだ。

終演後にショスタコーヴィチが素晴らしかったことを外山さんに伝えると、「オーケストラがウマイからだよ」と同じことをいっていた。もちろん謙遜してのことだが、実際そうなのだから。。。しかし、指揮者にウマイと言わしめる京響には頭が上がりません。2010年も京響からは目を離せなくなりそうだ。

2010年コンサートカレンダーにもどる

Copyright