プッチーニ、R.シュトラウス、シューマン、ベートーベン。実に多彩なプログラム。テーマはあるのか分からないが。今日はバボラクが登場するためだろうが、またしてもチケット完売らしい。このところ大フィルが観客を減らしている(2公演だからだろうが)にもかかわらず、なかなか絶好調でノリに乗っているの京響だ。
さて、最初はプッチーニで華々しくオープン。マニアックな曲の上に、オペラのごった煮みたいな様相の曲だが、オペラ中の知っている旋律が出てきたりするのでそれなりに楽しめた。初めて?演奏する曲だと思うが、やりなれた感があるように聴こえるのは、さすがに京響ってことでしょう。
2曲目ではいよいよバボラクが登場。言うまでもないが、ため息が出るほどウマイ。世界ナンバーワンのホルン奏者だけあって、さすがにズバ抜けた力量の持ち主だ。冒頭の吹き出しから鳥肌が立った。この世の中に「完璧な演奏」というものがあるのであれば、極めてそれに近い演奏だったと思う。とてもホルンとは思えない、ピアノかオルガンでも軽々と弾いているよう。
続くシューマンも同様。京響の3人のホルン奏者も加わってのコンチェルトだが、やはりバボラクが目立ってました。なんともラクに吹いているので憎たらしくもあるが(笑)。京響の3人もそんな大物奏者と並んで演奏してもひるむことはない(プロだから当たり前か?)。ホルン好きにはたまらない夜になったのではないだろうか。
最後は一転してベートーヴェンの4番。あまり期待していなかったのもあるのだが、最近にしては珍しく?非常に古典的なスタイル(一昔前のって意味です)で逆に斬新にさえ思った。広上さんはテンポをゆったりと取り、曲想以上に雄大に築き上げていく。こういう演奏を聞いていると、京響の底力というものを感じることができて、身近に感じている京響が、あまりに高尚な存在になりつつある寂しさも抱いてしまった。
今日は2009年度シーズンの最終定期。恒例の定年退職者の紹介もあった。この辺がお役所の流れでもあるのだが、京響らしさでもあり、私は好きです。最後に定期にしては珍しくアンコールもあった。
バルトーク/ルーマニア民族舞曲より第4曲、第7曲
来年度もますますノリに乗ってもらいたい京響です。
2010年コンサートカレンダーにもどる
|