2010年シーズンの始まり。このところ満員続きの京響でしたが、今日は比較的空席が目立つ。割りと入ってるんですけど。プログラムがマイナー曲とありふれた曲の組み合わせだからであろうか?私もそういう印象を持っていて、パスしようかと思っていたが、それは愚かなことだった。そんな気持ちをぶっ飛ばす凄まじい快演だった。
まずはじめのストラヴィンスキーは色彩感といい、質感といい、京響の良さがはっきりと分かる華やかな花火だった。一足早い花火大会を満喫できた気分だ。
カバレフスキーはそれほど聴き込んでなかったが、驚きの名演だったのではないだろうか?これほどの満足感のある演奏ができるオケが他にあろうか? 京響をカバレフスキーのマイスターに任命したい(笑)。今日はチェロに上村さん、コントラバスに客演で奥田さんがいたこともあるのか、低弦の厚みが素晴らしく良かった。加えて、ティンパニにセンチュリーの安永さんがいたことも大きい。全体的なバランスに関しては驚異的ともいえる布陣だった。第4楽章では久々にオケが大きくうねっているのが見えた。とても調子のいい演奏の時にしか私の目に映らない光景だ。完璧とまで言えるパーカッションも実に見ごたえ(聴きごたえ?)があった。しかし、秋山さんの指揮はいつもダイナミックでスケールがデカイ。カバレフスキーに慣れた秋山さんならではの指揮だったのだろう。
後半は「展覧会の絵」。こういうベタな曲を京響でなかなか聴きに来ないのだが、ウマイ!やはりトランペットの菊本さんの素晴らしいソロに限る。海外のオケでもなかなか納得いく演奏には出会えないくらいだが、均整のとれた音色は全く文句のつけようがない。他のパートもノリに乗っている。「ブイドロ」でチューバが何度も乗りきれなかったのを境にバランスが崩れていった気がするものの、「キエフの大門」では壮大な音絵巻を見ることができた。チンケな演奏だとナニコレ珍百景を思い浮かべてしまうところだが、それもなく楽しめた(笑)。
2010年シーズンのオープニングとしてはスマッシュヒットの演奏会だった。今年も期待の大きなシーズンになりそうだ。
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