久々の京響になった。定期会員になったにも関わらず、2ヵ月続けて花火大会と重なったためなのだが・・・。今日は村治さんが登場とあって、平日なのに客席は埋まっていた方だ。ソリストパワーによる集客はやっぱり絶大だなぁ。
最初の「どろぼうかささぎ」は京響らしい極め細やかな洗練された演奏だった。やっぱり上手いわ。オペラを凝縮したような多彩な表情を巧みに出していたと思う。
村治さんが登場しての2曲は対称的な曲だった。武満徹は規模が大きいが繊細な環境音楽のような心地よさ。テデスコは16名+ギターという室内楽的な協奏曲で、軽やかで楽しい曲。テデスコの方が聴きやすかったが、私は武満徹の方が好きかな? 村治さんのギターは語りかけるようにオケと優しく対話していた。ギターの曲は滅多に聴かないが、オケとの対比も違和感がない。まぁ、一種の弦楽器だし、村治さんが上手いからなのもあるが。
アンコールは定番の、タレガ/アルハンブラ宮殿の想い出。ギタリストとしての実力を知る上でこの曲ほど相応しいものはない。アルハンブラ宮殿の精緻な装飾を彷彿とさせる丁寧な演奏でした。上手いし、美人だし、何の非もないですね。
最後はフランクの交響曲。有名曲だがメジャーになりきれない地味な曲という印象が強い。今日の演奏で評価が変わった人もいるかもしれない。初めのトゥッティを聴いたとき、京響らしからぬ深く渋い弦楽器に驚いた。まるで往年のコンセルトヘボウかと思わせる様相だった。バーメルトの指揮も堂に入ったもので、オーソドックスではあるものの、懐の深いスケール感豊かな音楽は万人に受け入れられるものだろう。第1楽章の最後、低弦の残響だけが3秒ほど渋く残ったのにはしびれた。
今日のプログラムはかなり地味目なものだったが、予想に反して充実感はあったのでとても気分良かった。
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