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2012年9月7日 京都市交響楽団
第561回定期演奏会(京都コンサートホール 大ホール)

演奏曲目および評価

ブリテン/歌劇「ピーター・グライムズ」から パッサカリア op.33b
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77
ペルト/カントゥス〜ベンジャミン・ブリテンの思い出に
ブリテン/シンフォニア・ダ・レクイエム op.20




演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン:ヴァディム・グルーズマン
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:下野竜也

感想・短評

京響にしては会場の埋まりはよくない。それはプログラムがマニアック過ぎることが最大の原因だと思うが、最近の京響のプログラムはメジャー曲が多すぎるので、このような意欲的なメニューはファンとしては楽しみでならない。まぁ、週末ということもあり、眠いのが最大の敵だが。今日のテーマは「ブリテン」ということにつきる。この企画自体がグレートである。イギリス音楽はなぜかいつも日の目を見ないからなぁ。オリンピック特需でなければいいのだが。

今日は、ヴィオラのソロ首席に店村さんが就任後初登場なのも目玉だ。それが分かっていたかのような曲からスタートした。ピーター・グライムズから「パッサカリア」はマニアック過ぎて実によろしい。店村さんの就任祝いといっても過言ではないほどヴィオラが活躍する曲だ。基本暗い曲だけど、華やかな金管の響きは鮮やか過ぎるくらいで眩しかった。

ショスタコーヴィチはブリテンと親交があったということで関連性があるらしい。いやー、エキサイティングな快演でした。ヴァイオリンは体が大きい割には繊細な音を奏でていた。でもそこはロシアのパワー炸裂で、出るわ出るわ超絶技巧。第1楽章こそはさぐり合いの様相でしたが、第3楽章以降はもう飲まれるしかなかった。最後のティンパニの痛快な強打もブラボーだった。

後半はペルトから。舞台後方のオルガン席のところに鐘を配置していて、視覚的にも音楽的にもバランス感覚のある演奏でした。ミニマル的な曲でしたが、退屈することはなく、とても心に響く良い曲でした。

最後はまたブリテンで「シンフォニア・ダ・レクイエム」。こんな痛快な演奏があっていいのだろうか?レクイエムに痛快というのもおかしいが、京響でないと成し得ないのではないかと思うほどの完成された演奏でした。ペルトから休みなく続けた演出もユニークだった。ぜひイギリスで再演してもらいたいものだ。この調子で戦争レクイエムもやってくれないかな〜。

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