平日公演ではあるが客席の埋まりはなかなかのもの。ソリストも良いし、プログラムもユニークだし、良く知られた曲ばかりなので当然だが、京響の人気の賜物でもある。さて最初のブラームスは私の大好きな河村さんのピアノだから聞き逃せない。日本で一番うまいピアニストを挙げろと言われたら迷いなく河村さんの名前を挙げるだろう。今日の演奏も期待を裏切らない素晴らしいものだった。音楽性、音色、安定感すべてにおいて非の打ち所がなかった。ただただ脱帽。高関さんのサポートも見事だった。冒頭からゆったりとしたテンポでハッキリと旋律を紡いでいく。ブラームスのもやもやしたような重さはなく、あくまでも明るく元気のあるブラームス。古楽演奏ではないが、キビキビとした奏で方は新鮮だった。この長い曲を眠らずに聴けたのも初めてかも(笑)。それも金曜日だというのに。
アンコールは美しいという以外に言葉は思いつかなかった。どうしてここまでハッキリとしたピアニシモが奏でられるのだろうか?驚愕のアンコールだったと言えるのではないだろうか?
後半はガラっと変わって、ラヴェル祭り。バーンスタイン直伝の演奏をするという高関さんの宣言にも大いに期待した。「優雅で感傷的なワルツ」は軽さはなく重量感のある聴き応えの第1曲だった。そのあとは高雅で感傷的でしたねぇ。第7曲の後で拍手しないでねとプレトークで高関さんが言っていたにも関わらず出ました。拍手が。私には終わりだと感じないところなんですけど。。。
「ラ・ヴァルス」は凄まじい演奏でした。バーンスタイン直伝とはこういうものなのか?!暗譜で指揮していたので、完全に身に付いていた音楽。ここまで生きた「ラ・ヴァルス」を聞いたことないです。テンポの揺れや強弱などはどれも作為的に感じない。これまででナンバーワンの演奏だったことは間違いない。バーンスタインはやはりスゴイ人だったのでしょう。
最後は「ダフニスとクロエ」。もうここまで来たらおかしな演奏になるはずがない。全てにおいて圧巻の大絵巻だった。フルート、クラリネットの変態的超快速技もキレイと言えるほど完璧だったし。まだまだ余力のある演奏ほど安心して楽しめるものはないです。いやー、立派でした。
前半と後半で違う演奏会を掛け持ちした感じがして実にお得な演奏会でした。
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