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1998年11月20日 京都市交響楽団
第409回定期演奏会(京都コンサートホール)

演奏曲目および評価

メシアン  トゥーランガリラ交響曲

演奏者(指揮者・ソリスト)

ピアノ: ピエール=ロラン・エマール
オンド・マルトノ: トリスタン・ミライユ
指揮: 井上 道義

感想・短評

表彰楽しみにしていた演奏会。こういうプログラムはなかなかないですから。メシアンの曲は複雑で循環主題をもとに不可逆リズム、ペルソナージュ・リトミックなどの独特の技法を用いて書かれている。したがって、かなり集中して聴かなくては細かなところまで聴くことは出来ない。頭がパンクしそうでした。

井上氏の指揮はくねくねとユニークに動き、まさに未来的な音楽を作り出していた(笑)。電子楽器のオンド・マルトノも弦楽にぴったりハマって違和感はなかった。ピアノの音色は金属的でその対比もまた楽し。

・第1楽章 金管はノイズが多かったが、井上氏の間の取り方は素晴らしく、最後の突撃は見事だった。
・第2楽章 トランペットはダメ。ただ、曲のスピード感は抜群。
・第3楽章 いつもながらレーニのクラリネットは美しい! ここでも聴かせてくれた。
・第4楽章 トランペットがいまいちでトロンボーンも立ち上がりが遅い。ここで驚いたのはピアノ。ピアノは打楽器だったのか!! ものすごい激しさで圧倒された。
・第5楽章 一番良く知っている楽章だったのだが、良く分からなかった。金管はやっぱりダメで、リズムも狂っていた。オケの限界か。しかしまたまたピアノはVery GOOD!
・第6楽章 弦の音がやっと聴こえたという感じ。潤んだオンド・マルトノと弦楽器、そして優しい木管。ピアノは浮いていた?
・第7楽章 まさにお祭り騒ぎで、井上氏の強烈な拳の突き出しによる大太鼓の攻撃。聴きごたえあり。
・第8楽章 今日最も安定した楽章。オンド・マルトノの激しい動きも聴きごたえあり。まさにこの曲のクライマックスだ。この楽章は◎。
・第9楽章 ヴィオラによる最高音のわななきは不気味だった。ここでは珍しくヴァイオリンの出番はなし。
・第10楽章 透明度は高くないが、いやが上にも興奮の渦に巻き込む力演。

75分ほどの曲の割に、もう満腹状態。終演後、井上氏にサインをもらっている間に少しだけお話しした。「どの楽章が一番面白かった?」と聞かれたので「第8楽章が一番でした」とすぐさま答えると、すごく喜んでくださった。また現代曲を取り上げて欲しいと伝えた。ちなみに、井上氏はフランス政府芸術文芸勲章を受章されることになったので、ホールロビーで祝賀会が行なわれた。

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