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コンサート名・公演名

1999年10月10日 フィンランド・ラハティ交響楽団
(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

シベリウス
  交響詩「フィンランディア」
  交響曲第5番
  交響曲第2番

 


演奏者(指揮者・ソリスト)

指揮: オスモ・ヴァンスカ

感想・短評

オーケストラ画像「シベリウスとはこういうものだ!」 演奏がそう物語っていた。今まで聴いてきたシベリウス演奏を全面見直しさせられる「超名演」だと評価したい。昨年からラハティ響の来日を楽しみにしていただけに、演奏のすばらしさに絶句した。

オープニングは「フィンランディア」。先日、京響で名演を聴いたと思ったが、こちらの演奏はさらに本場のパワーを見せつけられた。一音一音がすべて意味を持って繰り出される。曲への愛情に加え、すさまじいまでの推進力。さすがにフィンランドの第2国歌とも言われるだけあり、祖国の誇りが大いに感じられた。

交響曲第5番はバーンスタインのCDをよく聴いていたのだが、そのアプローチとの違いに驚かされた。バーンスタインの演奏は端麗で、美しさが前面に押し出されている。ヴァンスカの演奏は実に素朴であるが、きびきびとし、若々しいのである。生きたシベリウスがそこにあった。

最後は交響曲第2番。7月の大フィルのいただけない演奏に比べると、なんと表情の豊かなことか。第4楽章は以外とあっさり演奏されたのは意外だったが、本当のシベリウスはこうあるべきなんだろう。

アンコールもシベリウスで、「クリスチャン2世」よりメヌエット、「悲しきワルツ」

オスモ・ヴァンスカヴァンスカはまれにみる名指揮者だ。指揮棒が音を紡ぎだしているようだ。指揮に忠実に音楽が奏でられている。オケも全く手を抜くことを知らず、どこを切っても真剣な音楽が流れ出ていた。ヴァンスカ=ラハティ響の魅力は極限までのピアニッシモから広がりのあるフォルテッシモまでの圧倒的なデュナーミクを表現できるところ。なかなか真似できるものではない。起伏の大きさもすべてが相乗効果で大きな意味を持つ。決して個人芸だけを見ると、飛び抜けて優れているとはいえない。しかし、団員が一丸となって演奏すると、素晴らしい一流の音楽になる。同じような例はバーミンガム市交響楽団の時にも見られた。これだから、少しマイナーなオケを聴きに行くのがやめられない・・・ しかし最近の北欧のオケの充実ぶりにはびっくりする。ラハティ響、フィンランド放送響、オスロ・フィルなど・・・ 個人的にはうれしい限りだ。

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