ロンドン交響楽団を聴くのは4年ぶり。マイケル・ティルソン・トーマス、サー・コリン・デイヴィスの元で聴いてきたが、現在の首席は今をときめくゲルギエフだ。クラシック界の台風の目だけに今回の公演は楽しみだったのだ。しかし、値段が高かったのと平日だったことが災いし、会場は比較的空き席が多かった。プログラム的には申し分ないものだったのですが。。。
さて、始めはラフマニノフ。ずいぶんと聴き飽きた感がある協奏曲ですが、ピアノでオケが聞こえないくらいだったのは初めてかも。ヴォロディンはものすごいパワフルにピアノを叩き付けるタイプ。あんまり好みのタイプではないかなぁ。まだ耳が慣れていなかったのか? 第1楽章はモヤモヤした感じが強くてオケの旋律がほとんどつかめなかった。。。ロンドン響の柔らかな響きとホールの特性が合っていなかったのだろうか? そう思いながらも、第2楽章に入って感想が一変する。冒頭の弦楽器とオーボエに完全に心奪われた。第3楽章もズンズン上り調子で盛り上がっていく。前半で感じた不安はどこへやら。
しかし、演奏は素晴らしいのに、とても気になって集中できなかったことがある。それは、隣の人が臭かったことと、さらにその隣の人に落ち着きがなかったことだ。特に後者の人は激しく指揮マネしすぎ! クライマックスでは機敏な動きで親指立てたりしているし。目障りですから!
ヴォロディンは1曲アンコールを演奏してくれた。ショパン/マズルカ 作品17-4。本編とは異なり、その優しく繊細な音色に会場も静まり返っていた(指揮をするヤツを除き!)。
イヤな気分のまま、大注目の後半に突入。ゲルギエフの指揮でプロコフィエフが聴けるとはなんと幸せなことか。1年ほど前からこの日が待ち遠しくてたまらなかったくらい。にもかかわらず、前述の迷惑野郎のおかげで全く音楽に集中できず。。。良い演奏を聴かせてくれていたのに。本当に泣けてきました。感想なんて書けません。驚くほどウマかった曲の断片の記憶が頭の片隅に残っているのが幸いなくらいか(涙)。
そんな状況も関係なくアンコールは、プロコフィエフ/歌劇「3つのオレンジの恋」より行進曲だった。これもしっかり鳴って良い演奏でしたよ。
久しぶりに一部の迷惑客のために一期一会の演奏会の気分はぶち壊された。残念でならないので、たまたま近くに行く予定があったサントリーホールでの公演チケットを入手した。絶対リベンジしてやる!
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