大人気の五嶋みどりのリサイタルに足を運んでみました。いつもチケットが完売するほどなので、どんな内容なのか気になっていたから。。。五嶋みどりの演奏は一昨年のヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団で初めて聴いて鮮烈なイメージとして残っている。
予想通り?会場は満席。リサイタルでここまで人を入れられるのは超一流の証だ。前半はドイツもの、後半はフランスものということで、いろんな表情が楽しめた。前半のベートーヴェンはピアノの主張が強すぎな曲でもあるため、ヴァイオリン自体をじっくり鑑賞する感じとは行かなかった。2階席の一番後ろまで音を飛ばすほどではなかったこともあり、ちょっと期待とは異なっていた。
しかし、バッハでは独自の音楽を聴かせてくれた気がする。バッハはあまり聴かないのだが、唯一、ベンジャミン・シュミットによる無伴奏ヴァイオリン曲集を持っている。その演奏とは全く異なるアプローチなのが面白かった。五嶋さんは、機械的な演奏ではなく、音楽と対話するように分かりやすく説いていくようなスタイル。無伴奏ソナタは単調なイメージがあったが、変化のあるいい演奏でした。
さて、少し眠い前半だったが、後半は目の覚めるような素晴らしい演奏だった。ドビュッシーとメシアンは絶品。目をつぶって聴いていると、何度も録り直しをしたCDを聴いているんじゃないかと耳を疑うほど完璧な演奏。フランス音楽独特の透明感や「うねり」のような艶めかしさがヒシヒシと伝わってきました。メシアンは退屈音楽の筆頭(笑)だが、これほど面白い変奏を楽しめたのは大収穫でした。
最後はラヴェル。メシアンの演奏が終わった後すぐに譜面台をピアノの影に移動させる五嶋さん。その理由は演奏を聴けば分かりました。一昨年のバイエルン放送交響楽団の時にも感じたように、何かが乗り移ったかのような猛烈な演奏でした。激しい動き、跳ねるような音楽。もう釘付けでした。できればオーケストラ伴奏で聴いてみたかった!
アンコールのサービスは2曲ありました。本編とはまた違う雰囲気が楽しめました。
グラズノフ 瞑想曲 op.32
クライスラー シンコペーション
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