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2003年10月6日 ニュージーランド交響楽団
アジア・オーケストラ・ウィーク(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

バルトーク  バレエ音楽「中国の不思議な役人」
エルガー  「海の絵」
リルバーン  アオテアロア序曲
プロコフィエフ  バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(ジャッド編)




演奏者(指揮者・ソリスト)

メゾソプラノ: ヘレン・メドリン
指揮: ジェームス・ジャッド

感想・短評

東京・大阪の2拠点で開催される、文化庁舞台芸術国際フェスティバル〜アジア・オーケストラ・ウィークの3日目の演奏会。「アジア」といいながらニュージーランドはちょっと違うような・・・ しかし、ニュージーランド交響楽団は近年、NAXOSレーベルで積極的に録音に参加しており、映画「ロード・オブ・ザ・リング」のサントラ演奏をするなど活躍が目立っている。南半球のオーケストラで有名なところは少ないので、その実力を知るには良い機会であった。

1曲目は意欲的に「中国の不思議な役人」。第1印象としては、弦楽器が力強い割に、管楽器がひ弱。パーカッションも控えめだ。全体的にはよく鳴っていたが、平坦な演奏なのでメリハリがなく、漠然と鳴らしている感があった。この曲に関してはもっと金管が活躍してくれないと楽しくない。しかし、弦楽器のパワーはすごい。ヴァイオリンの力強さだけでなく、チェロやコントラバスもしっかりと支えていた。

エルガーは初めて聴く曲だが、非常に心地の良い曲だった。ニュージーランドはイギリスの統治下にあった国だからか、とても英国的な弦の響きと、エルガーらしさを出していたように思う。メゾソプラノのメドリンは、声色こそ私の好みではなかったが、オケに負けないくらいよく声が出ており、安定感があった。第3曲と第5曲が特に出来がよかった。

次のリルバーンはニュージーランド出身の作曲家。ローカル性の感じられる曲で、どことなくシベリウス風な印象がした。リルバーンがロンドンに留学中にニュージーランドのことを想って作った曲ということだから郷愁を感じたのかも。

最後はプロコフィエフ。今日の一番のできだったと思う。弦楽器の働きが何よりも魅力を増大させていた。曲によっては退屈なものもあったが、総じて出来がよかった。

初来日で存分にアピールしたかったのだろうか? アンコールを3曲もやってくれた。

  エルガー 付随音楽「青春の杖」第2組曲から第6曲
  リルバーン Canzona No.1
  プロコフィエフ 組曲「キージェ中尉」より第4番

個人の技術はみな高いものがあるようだが、まとまりとしては少し発展途上な感じがする。今後の成長が期待されるオーケストラの一つであることは間違いないかも。またの機会があれば聴いてみたい。

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