久々のピアノリサイタル。記憶が確かなら、8年前に行ったケヴィン・ケナー以来ではないだろうか。
今回の趣旨はショパン没後100年ということでショパンの人生を振り返りつつ演奏をするというかなりストーリー性を持った演奏会。及川氏がショパンの書簡などを引用しつつ、曲の背景を解説し、演奏を始めるといったスタイル。ショパンの曲はいろいろ聴いたことはあるが、ほとんど詳しいことを知らないために、初心者である私には非常に参考になり、楽しい演奏会であった。演奏の方も立派だった。一音一音が明確で、男性的な力強いショパン。ストロークが強くて非常に深いために、ダイナミックであり聴き応えがあった。中でも特に良かったのは、当人も一番好きだという「バラード第1番」。ロマンチシズムに、そして激しいまでに・・・興味深く聴けた演奏会だった。
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