先日のセンチュリーに引き続き大フィルもフランスもののプログラムを持ってきた。しかし、大フィルだけに少し恐ろしいかも。2年前のベルリン・フィルでの曲目も2曲ダブってるし・・・
ドビュッシーはまずまずの始まり。弦のうねりが良い効果を出していた。さらにコールアングレのうまさが光っていた。しかし、第2曲から調子が落ちていった。ティンパニがばちを落としたあたりから聴き手の集中力も急下降。弦楽器と木管の整合性が取れておらず、第3曲ではさらに下降。ただ惰性で行っているといった印象。合唱もピッチが低いうえに雰囲気が出ていない。全体的にもやのかかった感じは雰囲気的に良かったが、全ても輪郭がぼやけすぎで不明瞭だった。
やはり大フィルにはプーランクは無理だった。繊細さとエスプリというものが感じられなかった。指揮、ピアノ、オケのそれぞれの思惑が異なっていたように思う。この演奏については多くを語りたくない・・・
ルーセルは意外に面白い演奏。勢いに紛れたという気もしないでもないが、金管も程々に元気があって良かった。フルネ氏の指揮も前半の曲目ほどゆったりでなく早めのテンポ。最後の盛り上げ方などは絶妙だった。
最後はラヴェル。冒頭は何の曲を演奏しているのか分からないほどバラバラだった。その後、徐々にまとまりが出てきた。弦楽器の艶めかしい表情などはこの曲に最もふさわしい奏法であった。金管が吠えるところは大フィルには合っている。というより吠えるところじゃないとうまくいかないというのが現状のよう・・・
今回の演奏会は久々に良い席で聴いたにもかかわらず、多くの不満が残ってしまった。
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