関西を中心としたクラシックコンサート報告サイト「大音楽惑星」
Home Concert Report コンサートのススメ CD Review リンク集 kotarinette
 大音楽惑星 ホーム > コンサート報告 > 2002年 > 大阪フィルハーモニー交響楽団 第357回定期演奏会
クラシック・コンサート報告 コンサート報告
■年度別

■コンサートランキング
MANAITA.com
コンサート名・公演名

2002年4月26日 大阪フィルハーモニー交響楽団
第357回定期演奏会(フェスティバルホール)

演奏曲目および評価

大栗 裕  管弦楽のための「神話」
R.シュトラウス  ホルン協奏曲第2番
バルトーク  管弦楽のための協奏曲



×

演奏者(指揮者・ソリスト)

ホルン: ラデク・バボラク
指揮: 下野 竜也

感想・短評

実に10ヶ月以上ぶりの大フィル。その間に朝比奈氏も亡くなり、先日は後任の大植氏が就任決定するなど大フィルとしても激動の時を迎えている。朝比奈氏亡き今、まさに大フィルの実力が問われようとしている。そのためにも今日の演奏は重要ではないかと・・・

今日のメインは何といっても「ホルンの天才」といわれるバボラク。まだ20代であるにもかかわらず、チェコ・フィル、ミュンヘン・フィル、バンベルク響などのソロ・ホルン奏者として歴任してきている強者。その演奏に非常に期待がかかる。そのためか、今日の演奏会はほぼ満席に近い入りとなった。

まず、1曲目は元・大フィルのメンバーだった大栗氏が書いた「神話」という曲。日本の神話を基に民族的なメロディを交え短いながらもストーリーをしっかり詰め込んだ秀作。曲の途中の原始的なリズムを刻む箇所などはまさに日本人の古典的な感情を示したもののように感じた。外山氏の「管弦楽のためのラプソディ」を思い出させるような曲であった。大フィルもこのような曲だと緊張感を保ってなかなかいい演奏をする。珍しく切れがあった。

2曲目はバボラクが登場してホルン協奏曲を演奏。派手派手しい曲ではないがホルンの醍醐味を存分に楽しませてくれる名曲であり、その期待に十分に応えてくれた。会場を優しく包み込むその穏やかな音色はそうそう聴くことはできない。オケは遠慮してか全く冴えなかったが、バボラクの魅力に十分に浸れた。フェスティバルホールの音響の悪さも名演奏かにかかればそれもうち消してしまう。

さて、問題なのはそのあとのオケコン。大フィルの将来が不安になる駄演だったと思う。金管・木管がよくないのはいつものことなのだが、今日は弦楽器も冴えない。さらには通常は聞こえないような楽器が飛び出してみたり、変なメロディが耳についたり・・・指揮者の指示も何のそので、各々が四方八方に飛び散った演奏。もう原形をとどめることなく崩壊していた。トランペットとトロンボーンの掛け合いなどはいつも楽しみにしているところなのであるが、全く分離しているし、トランペット同士も音がぶつかっていた。難しい曲なのは認めるが、それ以前に意思統一がとれておらず、「勝手にやってる」といったイメージだった。当たりはずれの多い演奏で有名な大フィルであるが、今日の演奏は前半と後半でこれほども違うものかと痛感した演奏会だった。

2002年コンサートカレンダーにもどる

Copyright