平日のびわ湖ホール。通常であればあまり人が入りそうにないが、今日は驚いたことにほとんど満席状態。さすがにチケットが安いのと招待客が多いとこうなるのか?
プログラムにはクラシック初心者が喜びそうな華やかな曲が並んでいる。まずは、カルメン組曲。ミッキーにしては遊び心がなく平凡な演奏だったので、別の意味で驚いてしまった。曲の間に拍手が入ってしまうなどしたが、これといって特徴はなかった。「闘牛士の歌」もメリハリに乏しく、躍動感がなかったのが残念なところか。
さて、今日のメインは、松永貴志くんがピアノを務めるガーシュウィンだ。井上さんはジャズとクラシックのコラボレーションがとても好きなようだ。2年前の京都市交響楽団では小曽根真さんとの名演を残しているだけに期待は大きい。オーケストラは十二分に実力を発揮していたと思う。特にクラリネットの働きが素晴らしいものだった。井上さんも下品な表現を多用しながら面白い演奏に仕上げていた。ただ、松永くんは大ホール&オケには不向きなのかもしれない。ガンガン弾き込むタイプではない上に、全体的にモタツキ感のある表現で気だるさを醸し出していたため、ノリ重視の演奏とはならなかった。最大の見せ場のカデンツァ部分は、リズム要素がそれほど明確ではなく、複雑なものだったので多少退屈に感じた。松永くんは小規模な演奏会で聞いてみたいものだ。でもアンコールでは、複雑で音の洪水のような曲だったが、実力を存分に見せてくれた。
松永貴志 鬼が島
ガーシュウィンが目当てだったので、後半はおまけのようなものと思っていた。メンデルスゾーンは綺麗にまとまっていたものの、カルメンのように特に特徴のないフツウの演奏だったように思う。トランペットが不釣合いな音を出していたのが気になった。
一転、R=コルサコフでは、井上さんらしい遊びが満載だった。先日の大阪センチュリーの演奏とは大きく異なり、跳ねるような楽しさと華やかさ。井上さんも調子が出てきたのかクネクネだ。テンポも速めで気持ちの良い演奏だった。ここでもクラリネットが大活躍。今日は松永くんの次に目立っていたのではないだろうか? アンコールは面白い曲が演奏された。
J.ラコーム 音楽の記念カード
ボレロの調べに乗って「ハッピーバースデー」風のメロディが顔を出す。それだけでなく、ウィリアムテルや幻想交響曲などのメロディも出てくる摩訶不思議な面白い曲だった。何でもありの今日のような演奏会は楽しいが、テーマは何だったのだろう?
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