狂詩曲ばっかりとは、なんちゅうプログラムや。面白いやないか! ミッキーならではのプログラミングだ。おまけに、水を得た魚のように自由奔放、縦横無尽に指揮を執るミッキー。赤い指揮棒が今日の意気込みを良く表していました。
最初の伊福部さんの日本狂詩曲は、日本情緒にあふれた曲。ヴィオラのソロから始まるところが、いかにも日本っぽい雰囲気満点だった。第1曲は少し単調さも否めなかったが、第2曲はクラリネットの囃子に始まり、打楽器が大活躍するお祭り感覚が大いに楽しめた。日本人作曲家特集を今度やってもらいたいなぁ。
リストはミッキーにしては少し控えめな演奏で、テンポの急変があまりなかったのが残念なところ。それに比べ、エネスコは実に色彩色豊かで聴き応え十分だった。クラリネットとオーボエによる冒頭のメロディは絶妙。さらに、ヴァイオリンのきらめきは素晴らしく、狂詩曲として華々しさを引き立てていた。曲の終わりと同時に「どうだ」とばかり客席を向いて満面の笑みのミッキー。最高です。
ディーリアスは狂詩曲とはいうもののイギリス音楽なので、お祭り騒ぎのような曲ではなく田舎風景が広がるような心地よい音楽でした。大騒ぎの曲の中にあって少しオアシス的な存在だったかな?
最後はラヴェルで熱狂的にしめた。思わず、これまでで最も衝撃を受けたベルリン・フィルによる「ラ・ヴァルス」が頭をよぎった。最弱音から爆裂的な強音まで、ものの見事に表現していた。ラヴェルをここまで重厚に演奏できるオケは関西では大フィルを置いて他にはないと思う。スペイン狂詩曲は大フィルの持てる実力をフルに発揮できた名演だった。
リズム、重厚さ、そして色彩感。こういう曲をさせると大フィルの右に出るものはないのではないだろうか? しかし、大フィルとミッキーとの相性は抜群に良い気がする。充実したお祭り騒ぎの演奏会はミッキーこと井上道義氏の独壇場でした。
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