平日の西宮はあまり聴きには来ない。3月末で音楽監督としての任務を終えた大植さんが早くも大フィルに登場。それもマーラー3番というわけだから、何となく期待はしてしまう。怖いもの聴きたさというのもあるが。
冒頭から大植節が炸裂である。速いテンポでホルンが出だしたと思ったら、すぐさまスローテンポに落ち、すかさずハイテンポに・・・。マーラーでもここまでやるか?とにかく、テンポが安定しないので、オケもズレまくり、ミスりまくり、長い長い第1楽章がやたら長く感じました。オマケに第1楽章の最後はウルトラ超快速でグシャグシャ。
その点、第2楽章はテンポを揺らしたのがツボにハマりなかなか面白く仕上がっていた。第3楽章は無難な演奏だったが、ポストホルンの音色に助けられた感じ。後半の3つの楽章は休みなく続けられた。第4楽章はメゾソプラノの実力をたっぷり味わったという印象。第5楽章は普通な感じかな?もっと少年少女合唱は元気が欲しかった。最後の楽章は今日の最大の聴き所だった。全曲このくらいスケールの大きな感動的な音楽づくりをして欲しいと思った人は多かったはずだ。
それにしても何かとムラのある演奏会だった。ポイントを挙げると次のようになるかな?
<良かった点>
バンダのポストホルンが安らぎを与えてくれた。メゾソプラノが聴き応えあった。フィナーレが壮大で感動的だった。
<悪かった点>
オケにミスが多すぎでグシャグシャだった。トロンボーンがとても不安定で生きた心地がしなかった。最後のフライングとも言える拍手など観客のマナーが悪すぎ。
やはりキーは観客かもしれない。こういった曲で余韻を味わえるようにならないのはナゼなのだろうか?よほど作曲家や曲そのものを知らないのだろう。音楽に対しての敬意というか感謝が欠如していることに失望して会場を後にした。
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