2週続けて道義さんの指揮で大フィルの公演です。今回は場所をフェスティバルホールに移してのコンサート形式オペラ公演です。フェスティバルホールで大フィルを聴くのは、実に10年ぶりかな?本拠地をザ・シンフォニーホールに移して以来、ここで聴いたことはなかったような気がする。何となく感慨深い。もちろん、当時とは音響が大きく変わっているので全く別物ですが。。。
さて、演奏の方は満足のいく出来だったと思います。前半のオッフェンバックはなぜこれをプログラミングしたのか?と思ってしまうくらい、後半とのギャップが大きい選曲。前半は能天気で空騒ぎなパリの街角、後半は陰湿でサディスティックなハンガリーの古城。まぁ、曲順が逆だったら悲劇だったと思いますが(笑)。前半は気楽に聴いたので、それはそれで楽しめました。運動会の定番「カンカン」は今一つ弾けっぷりが足りなかった気もします。似たような曲調が続けて演奏されるのは退屈でもありましたが。
後半の「青ひげ公の城」は、舞台の中央に手前から奥に向かう通路が設けられており、コンマスの左斜め後ろくらいに青ひげ公が座る椅子が置かれている程度の演出。あとは効果音と照明効果を使って幻想的に演出していました。あらすじについてはここでは省きますが、7つの開かずの扉を開けていくのが話の流れですが、「扉を開ける」という行為自体を明確にしていなかったのが何となく分かりにくさが残ったように思う。この曲は2年前のサイトウ・キネン・フェスティバルで小澤さんの指揮で見たことがあるが、あの時は明確に扉が設けられており、空間的なイメージはつきやすかった。照明効果を利用していたのは双方で同じような手法でした。ただ、サイトウ・キネンの時に比べて良かったのは、迫力の面でしょう。何と言っても今回は「コンサートオペラ」。つまりコンサート形式なので大オーケストラがステージ上に乗っているので、大迫力の演奏が楽しめたということです。おかげで歌手のセリフが埋もれることも多かったですが、字幕を見ているせいもありあまり気になりませんでした。もう1つユニークだったのは冒頭の吟遊詩人の扱い。晴さんが日本語でこの物語の導入を紹介するという演出だった。あえてここだけ日本語を使ったというのが面白い。晴さんも相変わらず咄家のような感じで面白かったし。
こういう現代的な曲を指揮させると活き活きするのが道義さん。先週に引き続き、大フィルから良い音を出していたと思います。
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