ついにこの曲を聴くときが来た。ソリスト8人に合唱団が実に5団体! いつも広々としているフェスティバルホールの舞台は溢れんばかりの人人!! しかし最前列の右より(ヴィオラ第5プルトの前)に座ったため、この凄さが体感できず面白味も半減。見えたものというと、コンマス、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、オーボエ(1人)、アルト1人、合唱団30人ほど。視覚的には「50人の交響曲」といったところだった。
しかしそういう障害はさておき、演奏の方は実に素晴らしかった。大フィルといえば今まで一度も良い演奏を聴いたことがなかったので、この曲で良い演奏が聴けるとは夢にも思わなかった(難しい曲ではないためか?)。冒頭から非常に遅く堂々とした合唱で始まり、金管も突出することなく音を抑えた幸先の良いスタート。ソリストもヴォリュームある発声で何の違和感もなかった。ただ、ソリストが見えなかったので何処で誰が歌っているのか分かりづらい状態。何よりこの曲は合唱がメインなので、合唱の充実したハーモニーとばらつきのない一体感にはプロではないとはいえ感心した。
第2部にはいると、あまりの心地よさのために睡魔に襲われ、ちょっと記憶が薄れているが、ソリストが安定感のある歌声で子守歌代わりとなっていたのだろう。圧巻といえばやはり終結部だろう。栄光の聖母役(間違ってるかも知れないが)の第3ソプラノ(秋吉さん)が2階席から天の助言を告げるところからの盛り上げは、ただ感動あるのみ。マーラーが語っているように宇宙が鳴り響くがごとくスケールの大きな演奏をコバケンが再現していた。最後はオーバー目だったのが感動をさらに大きくしたに違いない。
今日は大フィルの演奏も良かったし、フェスティバルホールの1階席の音響は意外と良いことが分かったので気持ちよく聴けた。あとは席の狭さだけだな・・・
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