んー。ウマイ。ここまで完成された「マ・メール・ロワ」は初めてかも。どのパートもウマイのだが、コンマス(ヴァイオリン)、クラリネット、ホルンには正直参った。プロ顔負けの演奏です。特にクラリネットのトップだった西崎智子さん。抜群にウマイと言うだけでなく、芯がしっかりしていて非常に安定感があった。ありそうでなかった特徴ある音色でした。今後に注目していきたい演奏家です。終演後に小澤さんにも聞いてみたところ、「彼女は急にうまくなった!」と満足げに何度も言ってました。もちろんラヴェルが素晴らしかったのは小澤さんのタクトに他ならない。小澤さんが得意とするフランスものを聴けただけでも満足な上に、あまりの完成度に前半で放心状態でした。これって基本は学生オケだよね???
後半はまたまた小澤さんが得意とするベートーヴェン7番。前半とはトップ奏者が入れ替わっての演奏でした。期待しすぎたのか?空回りだったように思う。。。前半のラヴェルほど目立った奏者はおらず、弦楽器以外のセクションが少し急ぎ過ぎだった。第1楽章でトランペットがミスったあたりから焦りが感じられた。うーん、ラヴェルと様相が違うぞ・・・ 急ぎ気味だからだったのか、ところどころテンポを落とす箇所があったが、それもなんか違和感があった。第3楽章から木管奏者はトップをなぜか入れ替えていたが、あまり変化はなかったように思う。最後まで先走り気味のオケはある意味で異様に盛り上がりを見せ、熱狂的に締めくくったが、何か違うなぁ。観客は熱狂していましたが。。。求めているレベルが高すぎたのかも知れないが、学生オケと言うことを考えれば、とんでもない演奏だったとは思う。
アンコールはサイトウ・キネンの定番、モーツァルト/ディヴェルティメントK.136より第2楽章。この楽章だけをたっぷりの思い入れで演奏するもんだから、とんでもない濃い〜演奏でした。うん、素晴らしい。
音楽塾の講師陣はあまり演奏せず、あくまでも補佐的な役割だった。特にオーボエの宮本さんは2歩も3歩も下がった態度だったのが印象的でした。今年のサイトウ・キネンも楽しみですね(チケット取れないでしょうが)。
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