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2005年11月21日 アラン・モグリア&パリ・スーパーストリングス
(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

フォーレ  小品集 ※今回のコンサートの為の特別編曲
  子守歌    作品16(ヴァイオリン:アラン・モグリア)
  シチリアーナ 作品78(フルート:ヴィセンス・プラッツ)
  エレジー   作品24(チェロ:エリック・ピカール)
  夢のあとに  作品7-1(コントラバス:ベンジャミン・ベルリオーズ)
  パヴァーヌ  作品50(ヴィオラ:ダビッド・ガイヤード)
ルーセル  シンフォニエッタ
ビゼー(F.ボルヌ編曲)  カルメン幻想曲(フルート:ヴィセンス・プラッツ)
マスネ  タイスの瞑想曲(ヴァイオリン:アラン・モグリア)
サラサーテ  ツィゴイネルワイゼン(ヴァイオリン:フレデリック・ラロック)
ドボルザーク  弦楽セレナード

演奏者(指揮者・ソリスト)

音楽監督/コンサートマスター
   アラン・モグリア(パリ管弦楽団・元第1ソロコンサートマスター)
コンサートマスター
  フレデリック・ラロック(バスティーユ・オペラ管弦楽団・コンサートマスター)
  サラ・ナムタム(フランス国立管弦楽団・コンサートマスター)
ヴァイオリン
  ソフィー・プラデル(フランス国立放送フィルハーモニック管弦楽団)
  ローラン・マヌパラス(フランス国立管弦楽団・副首席)
  フィリップ・バレー(パリ管弦楽団・第2副首席)
  キャロリン・ヴェルネィ(パリ管弦楽団)
  ジル・アンリー(パリ管弦楽団)
  エルザ・ベナブダラ(パリ管弦楽団)
ヴィオラ
  ダビッド・ガイヤード(パリ管弦楽団・副首席)
  マーク・デスモン(バスティーユ・オペラ管弦楽団・副首席)
  シリール・ブフィエズ(フランス国立管弦楽団・副首席)
チェロ
  エリック・ピカール(パリ管弦楽団・第1ソロ)
  フランソワ・ミシェル(パリ管弦楽団・第2ソロ)
コントラバス
  ベンジャミン・ベルリオーズ(パリ管弦楽団)
フルート
  ヴィセンス・プラッツ(パリ管弦楽団・第1ソロ)

感想・短評

招待券が当たったので、急遽足を運んだコンサート。プロフィールを見るとそうそうたるメンバーが書かれているので面白そうな演奏会だ。

前半はちょっと地味な曲が並んでいるので、眠気が勝った(笑)。フォーレは心地よすぎて寝るに限る曲なのだ。演奏自体は無難なものだっただろうか? コントラバスソロの曲は珍しさもあり、なかなか上手くて楽しめた。リーダーであるモグリア氏は年のせいもあるのだろう。音程も少し不安定であまり上手いとは思えなかった。メンバー全体も上手いのだが、何か光るものを感じることができなかった(欲張り?)。カルメン幻想曲は、フルートのプラッツ氏が難曲に果敢に攻めていたので聴き応えは十分だった。ただ、サラサーテによる有名な編曲の方が良い曲だと思った。

後半はタイスの瞑想から。あっさりしていた上にソロが微妙に不安定なため今一つか。モグリア氏のヴァイオリンは年の功ともいえるノイズが載っており、ある種の味があるものの、清らかさという面では不十分。ツィゴイネルワイゼンでは一転して激しいソロ。荒々しく勢いに任せた出だしだったが、超絶技巧と音程の正確さで聞き入ってしまった。コンマスがこれだけできるのだからスゴイ。恐るべしバスティーユだ。

最後のドヴォルザークは迫力ある秀演だった。プレイヤーの息が合っているだけでなく、各人のレベルの高さが良く分かる演奏だった。モグリア氏の少し浮いている感じはさておき、堂々の演奏だった。特に第2楽章は最も美しかった。問題といえば各楽章で拍手をする観客の方か。今日の観客は初心者が多くて困った。アンコールは大奮発で3曲だ。

  ビゼー アダージェット
  デュパン 歌劇「椿姫」によるグランドファンタジーより抜粋
  ブリテン シンプルシンフォニーより第2楽章

アンコールでも観客の無知さには驚くばかり。シンプルシンフォニーではピッチカート自体に驚きの声が上がる(そんなに珍しくないのに・・・)。さらには手拍子まで入れる始末。挙句の果ては、曲の終わりが分からないために何度も演奏中に拍手が起こる。これでは演奏者の集中力も欠けたのだろう。最後の方は少しいい加減になっていた。

観客はさておき、寄せ集めオケにしては完成度の高い演奏が聴けてまずまず満足だった。

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