最近あまり聞く機会のない海外オケを聴きに来た。最近はもっぱら国内オケ、それも関西地区ばかりだったことに今更ながら気付いた。昔は海外モノばかり行ってたんですけどねぇ。今日のオケはフィルハーモニア管弦楽団。非常にメジャーオケだが、実は意外にも聴くのは初めてなのだ。シノーポリ時代にコンサートスタッフとしてバイトしていたときにリハーサルをちょこっとだけ聴いて以来だ。指揮はサロネン。こちらも初めてなのが不思議。2010年、ウィーン・フィルとの来日がドタキャンになったので聴き逃していた経緯もあるんだが。そんな初物尽くしの演奏会はいかに。
前半はベートーヴェン。ホールの音響が今一つなので仰け反るような響きは感じられなかったが、なんの文句も付けられないほどの完成された演奏はさすがだ。特にピアノ協奏曲はCDでも聴いているかのような完璧な演奏。サロネンの端正な指揮に加えて、アンスネスの流麗なピアノはまさに天国の音楽といった感じだった。第2楽章の美しさには言葉がでなかった。格の違いを見せつけられたようです。フィルハーモニアはさすがにやり慣れている感がありました。
アンコールは、ベートーヴェン/ピアノソナタ第22番op.54より第2楽章。アンスネスの演奏には何も文句は付けられません。人を圧倒するうまさではなく、人を幸せにするうまさ。良いピアニストです。
後半はマーラーの巨人。フィルハーモニアでマーラーといえば、シノーポリの名盤が誉れ高い。創立当初からもクレンペラーとの名演などで十八番ともいえるレパートリーの1つといえる作曲家なのだ。そこまでの期待を寄せていたためか、今日の演奏は「それなり」のものという程度だったかもしれない。もちろん上手かったのだがいかんせん特徴が薄い。サロネンが燃え盛った演奏をするとも思えないが、淡々としすぎていたように思う。気に入らなかったところがあるわけではない(ホルンは今一つだった)。第1楽章のトランペットのバンダが完全に舞台裏での演奏だったために聞こえづらかったことくらいか。もう少し名門オケのパワーを見せつけて欲しかったかな。まぁホールの音響のせいと聴き手のスタンスのせいですけどね。面白かったと言えば金管の配置でしょうか。横一列に並んでました。人数の関係上、違い棚みたいになってましたが。
サロネンはアンコールをしたくなさそうな身振りでしたが、観客の熱い歓声に応えてアンコールを1曲披露してくれた。
ボッケリーニ(ベリオ編曲)/マドリッドの夜警隊の行進
まぁまぁでしたね。スネアがちょっと不自然ではありましたが。
終演後はサイン会の開催。ちゃっかりサロネンとアンスネスにもらいましたが、サイン待ちの行列はなかなかに凄かったです。200人くらいは並んでいたでしょうね。さすがイケメンです。
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