シュトゥットガルト室内管弦楽団といえば、私にとって思い出深いオーケストラなのだ。中学1年のときに初めて買ってもらったクラシックのLPレコードが、カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団の「ヴィヴァルディ/四季」だった。そのカップリングで「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も入っていたのだから、何か因縁深いものも感じる。
会場はPACオケの定期演奏会以外ではなかなか見かけることが出来ないほどの超満員。チケットが安いこともあり、クラシック初心者も多く駆けつけたようだ。初心者もそうでない人も楽しめるプログラムの出来はいかに?
ミュンヒンガー亡き後、あまりこのオケの評判を聞くことがなかったので、実はあまり期待はしていなかったのですが、これは大きな過ちでした。往年の切り刻むような鋭さは感じられなかったにしても、とてもすがすがしい演奏で、室内オケの醍醐味が味わえた。アンサンブル能力が極めて高く、四重奏を聴いているかのような感覚。とても指揮者がいないとは考えられないほど。
「G線上のアリア」はこのところ「追悼」の意味で演奏される機会が多かったので、余計に美しく感じられました。強弱がはっきりしていたのが良かったです。しかし、チェンバロが入ると雰囲気が変わりますねぇ。「管弦楽組曲第2番」はリュートも加わって、安定した美しい演奏でした。アンサンブルはほぼ完璧といってもいいのではないでしょうか?バッハがこれほど楽しく聴けたことは初めてです。特に終曲(第7楽章
バティネリ)はリュートの超絶技巧も相まって聴き応え十分でした。アンコールでこの楽章がもう1度演奏されました(アンコールは勢いに任せすぎで今一つ)。
後半は「弦楽セレナード」。一昨年のバシュメト&モスクワ・ソロイスツで怪演を聴いているため、かなりサッパリとした印象でした。第3楽章が素晴らしい出来だったと思います。コンマスのハドソン氏が上手いですね。全ての曲を通して、やはり存在感が際立ってました。
アンコールも2曲あり、若々しい演奏を堪能できた演奏会でした。
モーツァルト/カッサシオン K.63
モーツァルト/ディヴェルティメント K.137より第2楽章
2007年コンサートカレンダーにもどる
|