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1999年1月29日 大阪シンフォニカー  はいかーのご招待1
第61回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)  → はいかーの報告へ

演奏曲目および評価

シベリウス  交響詩「フィンランディア」
グリーグ  ピアノ協奏曲イ短調
ラフマニノフ  交響曲第2番



演奏者(指揮者・ソリスト)

ピアノ: 崔 眞伊(チェ・ジニ)
指揮: トーマス・ザンデルリンク

感想・短評

ことし初のコンサートだけに、ちょっと気合いが入る。昨年最初のコンサートも同じグリーグのピアノ協奏曲だった。しかし、今年のコンサートは内容的にかなり幸先のよいものとなった。

オープニングはフィンランディア。テンポをぐっと落とした重々しい始まり。非常に緊張感が溢れていたものの、冒頭のトランペットとトロンボーンの美しい和音は聴かれなかった。さらにティンパニのロールが強すぎる上に、弦楽器の透明感がなかった。ただ、その重厚さがとてもドイツ的でこんなシベリウスは聴いたことがない! ザンデルリンクもテンポを揺らしまくっていたのにはただただ唖然。そこは面白かったんだが。

グリーグはクリーンヒット! チェ・ジニは韓国生まれの若干20歳。なのに、素晴らしくふくよかで丸い音色を奏でており、所々フランスのエスプリを感じた。音がまさに数珠繋ぎに出てくる様には感心した。オケの方はごく普通の演奏だったが、第2楽章の弦の出だしには「おっ!」と思った。しかし、金管の平坦な音はもう少し何とかして欲しい。第3楽章ではピアノとオケとのテンポに若干食い違いがあったが、昨年聴いた2度の演奏に比べると格段に出来の良いものだった。チェ・ジニの今後の活躍に期待!

メインはラフマニノフ。この曲はメジャーであるにもかかわらず、あまり聴き込んでいない曲なので細かなところまでは聴けなかった。しかし、全編に渡って炸裂するラフマニノフ・ワールド。第2楽章のスピード感はたまらない! ホルンの響きも曲にぴったりマッチ。お馴染みの第3楽章では、これでもかというくらいロマンティシズムを振りまき、ラフマニ節を堪能させてくれた。終楽章はもう少し明確さが欲しかったものの、曲の盛り上げ方はさずが! やはり父クルトの影響があるのだろうか。堂々とした演奏だった。

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