愛・地球博の記念事業だったので、万博が終わった今年はどうなるのかと心配していたけれど、例年通りに開催された。年に1回の小型ウィーン・フィル演奏会は贅沢な楽しみなのだ。
今年はモーツァルト・イヤーなので、まずは本場のモーツァルト演奏から。メジャーかつ渋い曲を持ってきたもんだ。両端楽章が実にウィーンの香り高い演奏だった。そして、中間楽章はソリストの独壇場。フルートがとてつもなく上手かった。響きが異なるとここまで変わるという見本のような演奏だった。第6楽章での主役ポストホルンはさすが。トランペットの持ち替えで、片手で持って吹くだけの楽器。演奏は難しいと思うが、心地よい響きに聴き惚れました。
サリエリの曲は聴いたことがない。3人のソリストの演奏がとても安定した上手さのために「何でこの曲が有名ではないのだろうか?」と思ってしまうほどだった。しかし、眠い曲であることには変わりなかった・・・
毎年ベートーヴェンをメインに持ってきている。今回の8番も前回同様に堂々とした演奏。とても小編成だとは思えない。だた、楽章が進むにつれ縦の線のばらつきが目立った。小型ウィーン・フィルとしての働きが十分だっただけに少し惜しいところ。
毎度のことながら、アンコールは猛烈な名演になった。今回の曲は、J.シュトラウスII世のポルカ「雷鳴と電光」。ウィーン・フィル以外でこれほどの響きが出せるのであろうか? 小編成だからの光景だろうが、1人3役のパーカッションの多忙さには目を見張った(おまけに上手い)。会場は春のニューイヤーコンサートとなり、高雅な雰囲気が漂っていた。
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