昨年に引き続き、恒例の正月コンサート「ジャパン・ヴィルトゥオーゾ」に行ってきた。相変わらず招待客が多いのか、チケットを取るのも苦労した。発売日の10時ジャストに電子チケットぴあにアクセスできても最安席は1枚取るのが精いっぱいだった(2枚は取れなかった・・・)。コンサート当日も開場前には黒塗りのVIP車が所狭しとひしめく異常な状態。財界年始回りを兼ねたイベントなんだろうか?
それはともあれ、昨年と同じような作曲家のプログラムが並ぶ。今回の目玉は何と言っても「太鼓協奏曲」。ステージ上にはたぶん最大級の和太鼓がデーンと乗っかっていた。これをクラシック専用ホールで鳴らしたらどんな響きになるんだろう・・・。そんな期待を持ちながら挑んだ。
最初の曲は私のお気に入りの「ローマの謝肉祭」。新年の幕開けにふさわしく、颯爽とした軽やかな大友さんの指揮で華麗に始まる。しかし、オケはしっかりとした芯がある。実力派のメンバーが集まっているだけあって隙きのない演奏。冒頭直後のホルンが何とまろやかだったことか。かなり理想的な演奏に近かったと思う。
さて、太鼓の登場。ホール全体の明かりが落とされ、闇に包まれる。突然ホール後方にスポットライトが当てられ、大倉さんが登場。語りと能楽大鼓を鳴らしながら、ホール客席を練り歩く。やがてステージに上がるが、弦楽四重奏のバンダが加わり、実に幻想的な雰囲気で心が洗われる感じに。さらにオケが加わり、大太鼓もボレロ調にリズムを刻み出す。篳篥(ひちりき)という雅楽楽器も加わり、曲は大音響とともに頂点に。その直後、クラリネットのちょっと違和感のある旋律があったが、いよいよ大太鼓の圧倒的なソロに突入。ソロに入るまでにかなり力を使っているはずなのに、それ以上のパワーを要求するこの曲は酷だ。しかし、時勝矢さんはパワーをみなぎらせ、圧倒的な迫力でホールを支配した。ほんと、みんな身を乗り出して釘付けになってました。最後は鼓と弦楽四重奏の旋律でシンメトリックに曲を閉じた。太鼓の音は魂を揺さぶる力がある。胸の高まりとともに、手のひらに汗が溜まっていた。あぁ、もっと聴きたいかも。
太鼓の大曲とは対照的に、後半は小品の連続。「ローエングリン」は昨年のコンセルトヘボウでかなりの名演を耳にしているので、ちょっとやちょっとの良い演奏では驚かない。上手かったけど。「カヴァレリア」も良かったけど、もう少しロマンティックにして欲しかった。ねちっこいのは大友さんは嫌いなのかなぁ。
最後は「ボレロ」。首席奏者の集まりなので、これは期待していたが、意外と特徴がなく終わった。淡々と進めていたのがいけなかったのだろうか? もう少し遊び心を込めて欲しかった。無難な演奏だった。
さて、恒例のアンコール。昨年は阪神が優勝しなかったので、あまり盛大ではなかった(笑)。
藤野 浩一編曲 道頓堀行進曲(近鉄バファローズの歌・すみれの花咲く頃・六甲おろし)
エルガー 組曲「威風堂々」より第1番
近鉄バファローズも無くなってしまったので、この曲も今年が最後なのだろう。それとも「オリックスバファローズの歌」に変わるのかな? 何にしても、「六甲おろし」の豪華版を聴くために今年は阪神に頑張ってもらいたい。そして、頑張ってチケットも取らないと・・・
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