ウィーン・フィルのトップ奏者によるカルテット。ヴィオラはクラウス・パイシュタイナーだったが、定年が近いため後継者としてオクセンホファーがメンバーに加わった。まだ慣れていないためなのか、ちょっと緊張気味だった。「死と乙女」の前に楽譜を落としたりしていたし・・・
全体的におとなしめな演奏に聴こえたのは、やはりホールの大きさだろうか。フルオーケストラと同じホールではちょっときついか。ハイドンは控えめな演奏。ヴァイオリンが全面に出されていて低弦があまり聴こえなかった。第4楽章では各パートが躍り出ていたが。
ベートーヴェンは今日の一番。チェロのドレシャルは艶のある丸い音色で非常に良かった。ヒンクの細く伸びやかなヴァイオリンが彩りを良くしていた。第2楽章の冒頭、チェロ→第2ヴァイオリン→ヴィオラ→第1ヴァイオリンと交互に移りゆく箇所は素晴らしかった。特に良かったのは第3・4楽章。文句なしです。
シューベルトはもう少し激しさが欲しい気もした。ヒンクは高域の音になると不安定になりがちだったが、あれだけ大きな音を出そうとしたらしょうがないか。第4楽章では起伏も大きくフィナーレは突進していくようだった。
アンコールはハイドンの弦楽四重奏曲第77番「皇帝」より第1楽章。チェロとヴィオラが良く聴こえて堪能できた。
ウィーン弦楽四重奏団 |
ヒンク&クロイザマー |
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