関西を中心としたクラシックコンサート報告サイト「大音楽惑星」
Home Concert Report コンサートのススメ CD Review リンク集 kotarinette
 大音楽惑星 ホーム > コンサート報告 > 2004年 > 渡辺玲子と仲間たち
クラシック・コンサート報告 コンサート報告
■年度別

■コンサートランキング
MANAITA.com
コンサート名・公演名

2004年9月12日 渡辺玲子と仲間たち
欧・日・南米の至福の出会い(京都府立府民ホール・アルティ)

演奏曲目および評価

J.S.バッハ  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ
        第2番より「シャコンヌ」
マレ  スペインのフォリア
パガニーニ  ヴァイオリンとギターのためのソナタ
       カンタービレ
       ロッシーニの「モーゼ」主題による序曲と変奏曲
ゾーヴァンディ  夢
久留智之  地上にひとつの場所を(委嘱世界初演)
ラヴェル  ハバネラ形式の小品
イベール  間奏曲
ピアソラ  「タンゴの歴史」より

演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン: 渡辺玲子
ギター: 鈴木大介
フルート: 中川 愛

感想・短評

毎年恒例になっている「900円コンサート」シリーズ。いつも大物の演奏が聴けるとあって結構人気のプログラムなのだ。自由席なので開場時間前から長蛇の列。今年は30分前に行ったので良い席で聞くことができた。今回は3人の珍しい組み合わせによる曲が並ぶ。あまり知らない曲ばかりなので睡魔との戦いも重要な要素だ(笑)。

ヴァイオリンの渡辺さんについては何も言う必要はないだろう。日本を代表するヴァイオリニストの一人であり、世界の第一線で活躍している実力派だ。渡辺さんの演奏を聴くのは今回で3回目。ソロ・室内楽は初めてなので、改めてヴァイオリンの力強さと表情の豊かさを思い知ることができた。実力が高い上に、何と言っても楽器が素晴らしい。パンフレットによると1700年のストラディヴァリウス「Dragonetti」というものらしい。

バッハの「シャコンヌ」は昨年の出演者だった堀米ゆず子さんの素晴らしい演奏を聴いているが、それを上回る演奏。まさに息を呑む演奏とはこういうものなのだろう。「シャコンヌ」だけだったのが残念なところ。やはり全曲を聴きたかった。パガニーニでもあらゆる実力を披露。1本の弦でさまざまな表情を出していたのは圧巻。

ギターの鈴木氏はNHK-FMのパーソナリティもしているのでおなじみ。武満徹氏が「今までに聴いたことがないようなギタリスト」と絶賛したという実力派だ。今回の演奏会では実力をフルに発揮する曲が少なかったように思うのでちょっと残念。それでもピアソラはさすがの演奏を聴かせてくれた。ただ、あまりギターの演奏を聴かないので「うまい」以上のことは良く分からない。。。

フルートは昨年の小澤征爾音楽塾の塾生であり、フルート奏者の工藤重典氏の特別推薦を受けているという若手だ。まだまだ場慣れしていないのもあるのか、積極性に欠ける感がした。それでも、素直でエレガントな美しい音色を奏でていたので、今後は楽しみかも知れない。

今回も世界初演の委嘱作品があり、やっぱり良く理解できなかった。昨年も眉間にしわを寄せて聴いたが、今年もさらに眉間のしわが深くなった。。。コンセプトが難しいので容易に理解できないのだ。アンコールではシルヴェストリの曲が演奏された。いつもながら900円でここまで楽しめる演奏会が増えてくればいいのになと思う。さすがにオーケストラだと採算が取れないのだが。。。

2004年コンサートカレンダーにもどる

Copyright