東京芸術劇場 |
7年ぶりとなる読売日響。前回、大阪のフェスティバルホールで聴いた時は、あまりのボリュームのなさに驚いてしまった。本場(かつ良いホール)で聴くと違うはず。今回は初めての東京芸術劇場。しかし、東京は変な形のホールが多い。このホールのバルコニー席なんか取ってつけたような感じだし。でも、響きはなかなか良い。ホール全体がしっかり響いている。最安席でもあまり不満は感じなかった。席が新幹線並に狭いのが難点なくらい。
さて、肝心の演奏の方は、前回の記憶は吹き飛ぶほどの充実したものだった。さすがに東京。どのオケもレベルが高い。大フィルを聴いて喜んでいる場合じゃないなぁ・・・ 最初のモーツァルトは艶があり、とても大人な音色だった。昨日のセンチュリーの演奏と比較してもはるかに響きが深い。ただ、音は良いが、若々しさに欠ける。これは昨日とは全く逆だ。モーツァルトは楽しくないとね。きれいに形だけを整えたという感じがして残念だった。聴衆は会員が多いためか、かなり年齢層が高い。これが演奏にも影響しているのか?
後半は少し場所を移動して聴いてみた。これまでもいろいろなマーラー1番を聴いてきたが、その中でもトップレベルをいく超重量級の演奏だった。特に奇抜なところはなく、割とオーソドックスだったが、細部にまで丁寧に演奏していたので完成度は高く感じた。難点は、ホルンのピッチがが低く、ミスも結構目立ったところくらいか。第1楽章は、前半のモーツァルト同様に若々しさに乏しかった。第2楽章では激しすぎるほどの元気さ。この楽章が面白かったかな? 圧巻はやはり第4楽章。迫力もさることながら、ごまかしのない忠実な演奏には本当に感心した。デビッド・ノーランの姿も見れたし、関西では味わえない充実した演奏を楽しめた。
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