公開収録は初めての参加かな? おまけに一度行って見たかった栗東芸術文化会館なのでダブルでの楽しみがあった。演奏は日本ハープ界の第一人者である吉野さんと、23歳の時に新日本フィルの副コンサートミストレスになったという鈴木さんによるデュオ。ハープとヴァイオリンというのはあまり聴かない組み合わせなので、どのような演奏会になるのかあまり想像できない。会場は噂に聞いていた通りに、なかなか立派で、音響的にもよく響くので良好。ただ、ホールの側面が鉄骨むき出しになっているせいか、ちょっと響きが金属的で硬い感じがした。今度はオーケストラでどのような響きを聴かせるのか試してみたいホールだ。
さて、演奏の方は、ほとんどが聴いたことのない曲ばっかりだったので何とも言い難い。吉野さんのハープは半端じゃなく上手いことだけは良く分かった。特に、ドゥシークとグランジャニーの2曲のハープ独奏曲は、技術的な上手さは言うまでもなく、均一でバランスの整ったハープの音色で非常に驚いた。安定感があって貫録さえ感じることが出来た。もちろん、他の曲も同様に素晴らしかった。ペルトの曲などは繰り返しで単純なのにもかかわらず、それを退屈させずに聴かせてくれたのも吉野さんの力量だ。
ヴァイオリンの鈴木さんは今までに聞いたことがなかった。第1印象としては、ちょっと感情を外面に出さず淡々と弾きこなしている感じで、少し欲求不満だったか。技術的には良いものを持っているのだろうが、なかなか表情として捉えきれなかった。ドビュッシーなどは非常に美しく演奏していただけに、イベールなどはもっと自由奔放にしてもらいたかった。
しかし、アンコールは肩の力が抜けたのか充実した演奏を聴かせてくれたので、それだけでも満足することが出来た。
マスネ タイスの瞑想
M.T.von パラディス シシリエンヌ
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