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コンサートのススメ

コンサートのススメ

クラシックコンサートは堅苦しくて行きづらい・・・という声を良く耳にしますね。なので、コンサートの楽しみ方や会場でのマナーなど、初めて行く人にも分かりやすく紹介してみようと思います。一期一会の生演奏は録音にはかないまセンよ。

マナー編
楽しみ方編


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マナー編

クラシックは「堅苦しい」というのは、ある意味合ってます。ロックのライヴのように叫ぶこともないし、頭を振ることもない。ましては奏者が客席にダイビングなんぞあり得ません!ただ、良い演奏の場合は、盛大な拍手や、歓声はありです。演奏家への賛辞は大きくておかしなことはないでしょう。そこで、最低限マナーを守って、みんなハッピーな演奏会を過ごしてみませんか?

 曲の途中で拍手をしない
「どこで拍手をしたらいいんだろう?」。これは初心者が一番悩む部分だと思います。答えは簡単です。終わったらすればいいのです!「どこで終わるか分からないし・・・」というのであれば、周りが拍手すれば一緒にすればいいでしょう。ただし、ここで気を付けたい重要なポイントが2点あります。

1. 楽章の間の拍手はダメよ
地方での公演や初心者が多い演奏会などで多く見られます。演奏者にとって拍手は励みになりますが、楽章ごとに拍手されては演奏に少なからず支障が出ると考えられます。もちろん圧倒的な演奏に対しては楽章の間であっても拍手が起きることがありますが、これは意図したものではなく、自然に出るものであり、あまりお目にかかれるものではありません。事前に曲を予習しておくか、プログラムを見て何楽章形式の曲なのかなどを確認しておくことをお勧めします。知らない曲であれば、周りに合わせましょう。

2. 演奏中の拍手もダメよ
これは当たり前ですが、アンコールや盛り上がっている演奏会などでは演奏中に拍手をすることがあります(オペラでも良くあります)。そういう場合を除いて、演奏中の拍手や歓声はご法度です。しかし、演奏会の会場には「常連でクラシックのことなら何でも知ってるぜ」「目立ちたいぜ」という”勘違いおバカさん”がかなりの確率でいるということです。この人たちのアラレモナイ悪行を紹介しましょう。決してマネしてはいけません。大問題に発展する場合もありますので・・・

  • 拍手は指揮者が指揮棒をおろしてから
    これは基本です。しかし、いるんです。拍手の早い人が。最後が休符で終わる曲もあります。また、余韻や静寂も音楽の一部です。この最も緊張する部分で拍手をしてしまう人に必ずといっていいほど出くわします。曲にもよりますが、静かに消えていく曲などでは演奏をブチ壊すことになります。

  • ブラボーも指揮者が指揮棒をおろしてから
    これも基本です。拍手と同じですが、「ブラボー」に関しては生き甲斐にしている人がいるらしく、競い合うように叫んでいるのを見かけます。何度も演奏会に通っていると、それが同じ人であることも良くあります。もちろん「ブラボー」は最大限の賛辞ですので演奏家にとってはうれしいに決まってます。しかし、感情がこもっているかどうかは「叫び」を聴けば分かります。根本的に素晴らしい演奏の時は、声が出ないだけでなく、拍手すらできないものなんですから。演奏会をブチ壊すのは止めましょう。「レクイエム」や「悲愴」などで叫ぶのは犯罪に近いです。
 携帯電話やアラームなどを鳴らさない
これはホール内でなくとも基本中の基本ですね。ホールによっては強制圏外に設定しているところもあります。たとえそうであってもキチンと電源は切っておきましょう。どっちにしたって演奏中に通話しないことは分かりきってます。最近でこそかなり頻度は減りましたが、一時期はヒドイものがありました。携帯電話の音に指揮者が怒って演奏を中止した事件もあったそうです。私自身も出くわした携帯電話ワースト3事件を紹介しましょう。
  1. サイモン・ラトル指揮 バーミンガム市交響楽団
    ラトルによるマーラー「夜の歌」。名演にふさわしい演奏に会場内は熱気に満ち溢れていた。その中でけたたましく着信音(着メロではない)が鳴った。犯人は外人さんのようだったが、その後のフォローがいただけなかった。なんと携帯はコンビニの袋だかなんだかに入っていたのか、ジャラジャラ探り出したのだ。その後、ようやく携帯にたどり着き、電源を切った。「ピーーッ」。とどめの電子音がホールにこだました。いい加減にしましょう(怒)。

  2. 高原守指揮 ニューヨーク・シンフォニックアンサンブル
    ベートーヴェン交響曲第7番、最後のクライマックス付近。最前列に近い観客の携帯が10秒くらい高らかに鳴り響いた(これは着メロでした)。指揮者だけでなく団員も気になったらしく、しきりに観客の方をのぞき込んでいた。しかし、その後も腐らずに演奏し続けたオケと指揮者はすごいぞ。

  3. 村治佳織スペシャルコンサート
    この公演では私が確認できたものだけで4〜5回鳴った。一番のツワモノは3回も鳴らしたヤツ。私の斜め後方だったと思うが、派手な着メロが鳴り響いた。一度切るものの、約30秒後に再演。その後続けて再々演。オマエの携帯を聴きに来てるんやないんや! 終演後、村治さんにこのマナーの悪い携帯のことを聞いてみた。「う〜ん。気にならなかったですよ。乗ってたからねぇ。気づいていたけど」とのコメント。これぞプロです。
 音のなるものを持ち込まない
ホール内にこういうモノを持ち込むこと自体が、ある意味マナー違反。できる限り荷物はクロークに預けましょう。ホール内でよく耳にする耳障りな音を挙げてみました。

1. コンビニ袋(ビニール袋やポリ袋)などのジャラジャラ音
なぜ演奏中にイジル必要があるのか分からないが、よく耳にします。もっとも耳障りなノイズです。入口でチラシなどを袋に入れて渡されることもありますが、ホールによってはこれがノイズの原因になることも。濡れた傘を入れるビニール袋なども音がしますので気を付けましょう。

2. アメを食べる音
最近最も多いノイズです。アメちゃんを1つずつ小分けにしているタイプのものを、演奏中にこっそり食べようとしている人が多すぎます。コッソリしているつもりでしょうが「丸聞こえですから!」。少し回りに気を使っている人は、演奏中でもフォルテッシモの場面で一気に「ジャラッ」と開けています。気遣いない人はピアニッシモでも「ジャラッ」です。どっちにしても聞こえてますから! 迷惑なので止めてください。眠いのであれば寝てください!

3. かばんや鈴などの音
これはオバサンである傾向が強いです。演奏中にバッグを開ける時、気遣いなくマジックテープを「ジャラッ」、チャックを「チャッ」。必要性があるのならもっと静かに開けましょう。あと、かばんや財布に鈴を付けている人も要注意です。そんなものは会場に持ち込まないでください。あなたは演奏者ではありませんので。特に京都コンサートホールでは常習犯がいます。

4. パンフレットやチラシをめくる音
開場では多くの公演チラシを配ってくれます。ゴミになるだけでなく、音を立てる原因にもなりますので結構厄介です。演奏中に見るのは止めましょう。また、会場でもらう(または買う)パンフレットは曲を聞く上ではとても参考になる資料ですが、ページをめくる時には気をつけましょう。N響の定期演奏会では「音のなりにくい紙」をパンフレットに使っているようで、素晴らしい取り組みのひとつだと思います(今は違うのかな?)。

5. イビキや鼻息
これは持ち込むモノというわけではないけど、非常に気になるノイズの1つです。良い音楽を聴くと眠くなるのは分かります。自分も寝たことは良くあります(汗)。ただ、周りに迷惑にならないようにしましょう。また、S席の目立つ席で寝ている人はよく見かけます。演奏者から見たらどうなんだろ?バレてるのかな?演奏者にバレないようにしましょう。明らかに最初から聴くつもりがないのは論外ですが。。。

 会場内では飲食しない

おそらく全てのコンサートホールでは「ホール内での飲食禁止」です。ホールによってはロビーですらダメなところもあります。休憩時間中にアメちゃんなどをコッソリほおばるのは見て見ぬフリですが、飲み物はマズイですね〜。たまにいますが。演奏中にジャラジャラ音を立てながらパンを食べるオヤジがいたのを目撃したことがありますが、これは論外です。

 演奏中は話をしない

静かにすることは当然なので、用があるときは手短に小さな声で話しましょう。いちいち感想を言ったり、文句を言ったりする人がいますが、会場内で演奏や演奏者についての文句をなるべく言わない方がいいでしょう。捉え方は人それぞれですし、人の意見に左右されたくない人も多いからです。また、曲を口ずさんでいる人もたまにいます。家に帰ってからにしましょう。

 前に身を乗り出さない

気持ちは良〜く分かります。私のようなお金のないものにとって、コンサートに頻繁に行こうとすると、当然安い席を買うことになります。そうすると、舞台がよく見えない席になることが多々あります。少しでも舞台を覗き込もうとして、どうしても前のめりになって見ることになりがちです。本人はいいでしょうが、後ろの人はもっと見えにくくなりますので、気遣いをして見物することにしましょう。

 ノリノリにならない

気持ちは分かるのですが、完全に自分の世界に入ってしまって、ノリノリになっている人をたまに見かけます。足や手でリズムをとる人、頭や体を揺さぶっている人、挙句の果てには指揮をし出す人・・・ 周りに迷惑のならない程度にしましょう。結構気になると止まりません。

 クラシック特有の風習?

良くも悪くも、クラシックのコンサートには独特の風習もあります。

1.演奏の合間に咳払い
これは近年顕著になってきている気がする。演奏中緊張して聴いているので、楽章間に一息つくのは分かります。しかし、「無理に咳払いしてるやろ!」と言いたくなるくらい盛大に咳払いが起きます。演奏者は独自の間合いで演奏していますので、あまりひどいザワツキだと、次の演奏にタイミング良く入ることが出来なくなります。ここは、できる限り我慢したいところです。

2.アンコールは要請しない
ポップスや他のコンサートでは、よくアンコールをせがむ時に「アンコール!アンコール!」と言いながら拍手をリズム良く合わせますが、クラシックではそんなことしません。盛大な拍手を持って演奏者に賛辞を贈ることで、アンコールにつながることになります。ただし、盛大な拍手をしても、定期演奏会とかの場合は、ほとんどアンコールが演奏されません。念のため。

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