漂流幹線Terminal Station ホーム > イベントレポート > 京都産業大学 in 夜久野〜松本零士氏記念講演 | |||||||||
今回のイベントについては、正直ほとんど情報を得ることが出来なかった。京都産業大学創立40周年の記念イベントということだったため、大学と地元以外での露出は極端に少なかったからだ。この講演会があるということも、実は前日(9日)に初めて知った(銀河鉄道999ポスターコンクールの表彰式に来られるということは知っていたので、行く予定にしていた)。 当日は早めに現地入りして、近くの道の駅にあるお食事処にて昼食をとろうと思って出かけた。しかし、京都産業大学の関係者や松本零士先生たちによって貸し切りになっていたため、計画はつぶれてしまった。仕方なく近くにある別のお食事処に行くことに。貸し切りじゃなくても良かったのになぁ(予想はしていたが・・・)。 ■天文学者・荒木俊馬博士と夜久野、そして松本零士先生12時半に会場のふれあいプラザに到着。やはり関係者がほとんどを占めているようだ。会場となるホールは立派なもの。最初は100人ちょっとだったが、松本零士先生の講演会の時間になると200人以上はいただろうか? 式次第は次の通り。
1. 京都産業大学坂井学長挨拶 ところで「なぜ夜久野?」という疑問があるかも知れないの簡単に説明しておくと、天文学者であり、京都産業大学の創設者・荒木俊馬博士が戦後の数年間夜久野に住んでいたことが縁。この地にて、博士が「大宇宙の旅」という本を執筆した。この本が松本零士先生とのつながりを持つことになる。縁深き三者がそろい踏みという訳だ。 ■銀河鉄道999の原点
13時半ごろから松本零士先生の記念講演が開かれた。内容は察しの通り、7割くらいはいつも講演会でしゃべっているお話(戦時中の体験、手塚・石森さんとの思い出、世界での体験など)だったが、やはりここは夜久野。荒木先生の思い出話は興味深く拝聴することが出来た。 知っている人も多いと思うが、そもそも「銀河鉄道999」の原点は、荒木博士が書いた「大宇宙の旅」という著書にある。松本零士先生はこの本を子どものころに何度となく読んでいたという。その影響で宇宙についての深い関心が生まれ、数々のSF作品が生み出されて行ったといっても過言ではない。ちなみに「大宇宙の旅」は、主人公の星野宙一という少年が、フォトンという光の女神と一緒に大宇宙を旅しながら宇宙について学んで行くという設定。まさに「銀河鉄道999」と瓜二つ。さらには主人公も「星野」というのだから驚き(松本零士先生が言うには全くの偶然とのこと)。 荒木博士の「大宇宙の旅」がなかったら、銀河鉄道999も生まれなかったかも知れないし、SF漫画を描いていなかったかも知れないと。それだけ松本零士先生に多大な影響を与えた「大宇宙の旅」ではあるが、現在は絶版している。京産大の学長さんが、探し回ってようやく初版本を入手できたとのことで、今回は「復刻版」が作られ、夜久野の図書館や関係者に贈られたが、一般には販売されていない。これは何とかして欲しい! ちなみに松本零士先生はこの本の初版本を所有しているが、誰にも渡さないと・・・ただ、先生がくたばった時には、夜久野に寄贈すると約束していた。 講演の中では特に作品に関する話は出てこなかった(一部、「銀河鉄道物語」の話が出てきたくらい)。まぁ、今回の講演会の対象が違うからね。作品の話はなかったものの、松本零士先生が夜久野にきて、荒木博士のことで講演することになろうとは思ってもいなかったことで、とても光栄だと話しておられた。いつもと違う、作品の根底の話が聞けたということで、結構貴重な講演だったと思う。 なお、講演後には「銀河鉄道999ポスターコンクール」の表彰式が場所を移して行われた。 |
|||||||||