大阪におけるアジア・オーケストラ・ウィークの2日目。関西で活動するプロのオーケストラ5団体(大阪シンフォニカー交響楽団、大阪センチュリー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団)による特別編成オーケストラ。「1万人の第9」演奏などで編成されたことはあったが、今まで一度も聴いたことがないので楽しみだった。ベストメンバーに近い陣容でもあったので、演奏には期待して臨んだ。
オープニングは幻想交響曲。1曲目に幻想をやる演奏会はおそらく最初で最後ではなかろうか? この曲は心の準備が必要なんだが・・・ 演奏の方はかなりゆっくりとしたテンポで始まった。弦楽器は昨日のニュージーランド交響楽団に比べてはるかに線が細く、頼りない感じがした。徐々にテンポを速めると、あとは平凡な演奏に。第2楽章は単調で、特にハープがよろしくなかった。第3楽章はコールアングレがイマイチ。第4・5楽章はもっと勢いが欲しかった。まとまりの悪さもあり、満足行く演奏ではなかった。9月に大植氏の指揮で聴いた大フィルの幻想の方が格段エキサイティングなものだった。オケの完成度と指揮者の違いで、これだけ曲が変わってしまうということがよく分かる演奏だった。
後半は指揮者を山下氏にバトンタッチ。2曲目は吉松氏の曲。中央にピアノを置き、鳥が翼を広げたようにオーケストラを配置。その見た目が「朱鷺」なのだろうが、曲の方はよく分からなかった。音程も怪しいこともあり、決して良い演奏だったと思えなかった。
最後は久しぶりに聴く「春の祭典」。やはり特別編成のオケだからか、完成度が低く、楽器のバランスが良くなかった。特にいけなかったのは、最も重要な冒頭のファゴット。全く聴かせてくれなかった。木管では京響のレーニがクラリネットを担当していたので助けられていた。中でも健闘していたのはパーカッションかな? ティンパニが安定していたので曲としては締まったものになった。この曲は難解なせいか、大太鼓の奏者が左手で指揮をしながらタイミングを計っていたのが印象的だった。
ちょっと期待しすぎた特別編成オケ。やはりオケそれぞれに持ち味があるため、優秀な奏者を集めたからといって良い演奏をする訳ではないことが良く分かった。サイトウキネンなどは珍しい例の一つなのだろう。
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