毎回公演が楽しみな、びわ湖ホール声楽アンサンブル。今回は何と「カルミナ・ブラーナ」なのだ。これ自体何も驚くことないかもしれないが、場所は何と小ホール。「?」と思う人もいるかもしれないが、今回の公演は、オルフ自身がピアノと打楽器による演奏に編曲した版での演奏なのだ。これは珍しい! しかし、いくらピアノと打楽器しかないとはいえ、小ホールの舞台は楽器で所狭しと埋まっていた。ピアノが2台に打楽器が10数種類。声楽アンサンブルのメンバーが16人だから、メンバーと同じかそれ以上の数の打楽器があるのだからこれも驚き。
さて演奏の方は。冒頭からホールの屋根が吹き飛ばんばかりの大迫力! 小ホールだから迫力がスゴイ。ピアノ・打楽器もすごいが、少数精鋭の声楽アンサンブルの声量は、それをさらに上回っていたのだから驚き! 少数での演奏の効果もあるのだろう。本山さんの指揮は非常にスピード感があり、グイグイと突っ走っていく。かなり速いのだが「これぞカルミナ!」と思ってしまうのだから素晴らしい推進力だ。もちろん早いだけではない、ぐっとテンポを落として表情を豊かに見せる柔軟さもある。なかなかここまでできる指揮者は少ない。逸材だと感じた。
パーカッション アンサンブル「シュレーゲル」の紹介もしておきたい。大フィルのティンパニスト中谷氏と、同志社女子大学打楽器専攻卒業生を中心に構成されている6人の打楽器グループ。珍しい打楽器アンサンブルだが、実力も高く、今回の演奏会を一層盛り上げていた張本人だ。
カルミナ・ブラーナはオーケストラ版しか耳にしないが、曲の楽しさをしっかり味わうにはこの「2台のピアノと打楽器版」がとても良いかも知れない。そんな、新たな魅力を与えてくれた素晴らしい演奏会だった。
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