びわ湖ホールの名物シリーズ「プロデュースオペラ」。今回は完全オリジナルではなく、イタリアのフィレンツェ歌劇場のプロダクトを借りての公演だった。こんな巨大なセットを輸送するだけでも大変だが、作るよりは安いとのこと。当たり前かもしれないけれど、これはこれで壮大な取り組みですね。翌日の10日にはオペラワークショップに参加して舞台を見学したが、今回の舞台は1960年を模したミッドセンチュリー的な演出。予算の関係でこのようになったというような話を演出家が話していたが、十分に立派なセットでした。
演奏はいつものように京響。今回は今までの中では一番良い演奏だったと思う。回を増すたびにレベルが上がっている。どこを切っても文句のつけようのない演奏でしたね。各楽器がしっかり鳴ってました。もちろん沼尻さんの指揮も素晴らしい。9日の配役はヴィオレッタに安藤さん、アルフレートに世界の歌劇場で活躍するポルターリというもの。もう1人の主役のジェルモン役の上江さんも含めて良い歌手陣でした。
演出面では最後の第3幕が印象的でした。舞台上ではヴィオレッタが2人登場する!1人は病床に横たわるヴィオレッタ。もう1人は倒れている自分を代弁しているかのような幻想の姿か。幽体離脱のようでしたが、最後は天使的になってました。
控えめな舞台と一体化した音楽。トータルとして良い舞台だったと思います。常に「ブラビー、ブラビー」と叫んでいるオヤジだけはうっとおしかったが。
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